卓球 伊藤美誠 “優勝する思いで” 五輪かけた全日本選手権へ

卓球のパリオリンピック女子シングルス代表をかけて全日本選手権に臨む伊藤美誠選手が24日に取材に応じ「自分ができることをすべてやり、優勝するという思いでやっている」と意気込みを語りました。

記事後半では注目の女子シングルスの代表争い、出場権獲得の条件を詳しくお伝えしています。

東京 渋谷区で行われている卓球日本一を決める全日本選手権は、パリオリンピックの代表選考レース最後の大会です。

女子シングルスでは、早田ひな選手が代表内定を確実にしていますが、選考ポイントで2位の平野美宇選手と、3位の伊藤美誠選手の差は34.5ポイントで、逆転の可能性もあります。

26日からの試合を前に、伊藤選手が取材に応じ「ほかの選手のことは考えず、まずは自分ができることをすべてやり、私が優勝するという思いでやっている。勝ち上がってきた選手に勝っていくというのを目標に、練習をしてきた」と話しました。

そして、東京オリンピックを終え、パリ大会を目指す中で気持ちの迷いがあったと明かしたうえで「卓球はすごく好きだし、卓球をやるうえで、大きな目標がないと頑張れない。『チーム美誠』で一緒に頑張ってくれている人たちと一緒にオリンピックに行きたい思いが、すごく強い。今は本気だ」と意気込みを語りました。

◆平野美宇と伊藤美誠 代表内定の条件は

パリオリンピックの代表選考レース最後の大会となる卓球の全日本選手権は、ともに2枠となっている男女のシングルスのうち、女子はパリへの切符をかけた大一番となります。

去年12月25日時点のポイントは、早田ひな選手が790.5と2位以下を大きく引き離してトップで代表内定を確実にしていますが、2位の平野美宇選手は486ポイント3位の伊藤美誠選手は451.5ポイントと、その差は34.5ポイントです。

【今大会 獲得ポイントは?】
▽優 勝…120ポイント
▽準優勝…100ポイント
▽ベスト4…80ポイント
▽ベスト8…50ポイント
▽ベスト16…20ポイント
▽ベスト32…10ポイント

伊藤美誠 選手

平野選手と伊藤選手はともにシードで4回戦からの登場で、伊藤選手が逆転でシングルスの代表内定を確実にするには…

【伊藤美誠 選手の逆転条件】
平野選手が
▽初戦で敗退の場合 … ベスト8以上

▽ベスト16で敗退の場合 … ベスト4以上
▽ベスト8で敗退の場合 … 準優勝以上
▽ベスト4で敗退の場合 … 優勝

平野美宇 選手

一方の平野選手は、決勝に進出すれば伊藤選手の結果にかかわらず、無条件でシングルスの2枠目での内定が確実となります。

女子のシングルスは、4回戦から6回戦が26日、準々決勝が27日、準決勝と決勝が28日に行われ、パリへの切符をめぐって目が離せない戦いが続くことになります。

早田ひな “オリンピック前哨戦 優勝できるよう”

パリオリンピックの選考レースでトップを独走し、全日本選手権の女子シングルスでは連覇がかかる早田ひな選手は「今までとは違うプレッシャーを感じているが、オリンピックの時はどれくらいの緊張感やプレッシャーがあるのか、今から楽しみでもあるので、オリンピックの前哨戦として、1試合目の1歩目から、オリンピックで戦っている自分をイメージしながら試合に臨んでいきたい。どの試合も厳しい戦いになると思うが、最後まで自分自身ができること、今までやってきたこと、練習してきたことを出して、優勝できるように頑張りたい」と意気込みを話しました。

戸上隼輔 “全日本は特別 3連覇目指し頑張りたい”

張本智和選手と戸上隼輔選手

男子シングルスで3連覇を目指す戸上隼輔選手は「全日本選手権は特別な権威のある大会で、ここで優勝できるように1年間、成績を追い求めてきたので、成長した姿をファンに見せたい。自信を持って自分のプレーを発揮できれば、優勝はおのずと達成できると思うので、3連覇を目指して頑張りたい」と意気込みを話しました。

そのうえで、勝ち進めば決勝で対戦するライバルの張本智和選手について「張本選手は1つの大きな目標で、勝てれば本当にうれしいし、負けたときは悔しくて、日本選手の中で一番楽しくプレーできる存在だ。去年に引き続き決勝の舞台で、もう1回やりたい」と話していました。