ガザ地区 国連安保理で討論“早期の戦闘停止 和平目指すべき”

パレスチナのガザ地区でイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が続く中、国連の安全保障理事会で公開の討論が開かれ、各国からは早期の戦闘停止とともに、将来的にパレスチナ国家を樹立し、和平を目指すべきだとする声が相次ぎました。一方、ロシアやイランはイスラエルを擁護するアメリカを厳しく非難しました。

安保理では23日、パレスチナ問題をめぐる閣僚級の公開討論が開かれ、冒頭、国連のグテーレス事務総長がガザ地区の状況に強い懸念を示し、改めて即時停戦を呼びかけるとともに、イスラエルのネタニヤフ政権が将来的にパレスチナ国家を樹立して和平を実現することを拒んでいると、批判しました。

各国からもガザ地区での早期の戦闘停止や、将来的なパレスチナ国家の樹立を求める発言が相次ぎ、アメリカも人権問題を担当するゼヤ国務次官が、ガザ地区での人道状況の改善に取り組む姿勢を強調したうえで、「暴力を完全に終わらせる唯一の方法はイスラエルの安全が保証された2つの国家の共存だ」と述べました。

一方、討論にはロシアのラブロフ外相も出席し、アメリカがイスラエルを擁護して停戦に反対してきたとして、改めて非難するとともに、パレスチナ問題の長期的な解決に向けては、欧米の不当な介入は許されないと強調しました。

また、イランのアブドラヒアン外相もイスラエルを厳しく非難したうえで、アメリカやイギリスがイエメンの反政府勢力のフーシ派を攻撃し、中東の混乱を広げていると強く反発しました。