イスラエルとハマス 人質解放や戦闘休止への交渉 進展見通せず

イスラエル軍は、イスラム組織ハマスの重要な拠点があるとする南部のハンユニスへの攻勢を強めています。カタールなどの仲介で人質の解放や戦闘の休止に向けた交渉が行われていますが、双方の主張の隔たりは依然として大きいとみられ、進展は見通せない状況です。

イスラエル軍は、ハマスの重要な拠点があるとするガザ地区南部の中心都市ハンユニスを包囲し、24日も空爆や戦車からの砲撃などでハマスの戦闘員の潜伏先を攻撃したり、武器を破壊したりしていると発表しました。

ハンユニスで活動するパレスチナ赤新月社は24日、イスラエル軍の攻撃によって本部の建物の周辺に避難していた3人が死亡したとSNSで明らかにしました。

また、国際NGO「国境なき医師団」はハンユニスにあるナセル病院の周辺で激しい爆撃や銃撃があり、病院内にいる800人以上の患者や医療スタッフなどが避難できなくなっていると訴えています。

ガザ地区の保健当局は、イスラエル軍の攻撃によってこれまでに2万5490人が死亡したとしています。

こうした中、カタールやエジプトの仲介で、人質の解放のための戦闘休止についてアメリカも交えて協議が行われています。

しかし、ハマス側が戦闘の終結とイスラエル軍のガザ地区からの撤退を訴えているのに対し、イスラエル側はハマスがガザ地区を支配するかぎり戦闘を続ける姿勢を崩しておらず、双方の隔たりは依然として大きいとみられています。

一方、イスラエル国内ではネタニヤフ政権が掲げるハマスの壊滅という目標の実現を疑問視する声や人質の解放を優先すべきだと訴える声が強まっていて、交渉がどのように進展するかが焦点となっています。