共和党候補選び 第2戦 ニューハンプシャー州予備選 開票始まる

秋のアメリカ大統領選挙に向けた野党・共和党の候補者選びの第2戦、東部ニューハンプシャー州の予備選挙は開票が始まりました。トランプ前大統領が選挙戦を優位に進めるなか、ヘイリー元国連大使がどこまで巻き返しを図れるのかが焦点です。

ことし11月のアメリカ大統領選挙に向けた野党 共和党の候補者選びは、初戦のアイオワ州の党員集会に続いて、23日、東部ニューハンプシャー州で2戦目となる予備選挙が行われ、現地時間の午後7時、日本時間の24日午前9時に多くの地域で投票が締め切られ、開票が始まりました。

選挙戦はトランプ前大統領とヘイリー元国連大使の2人が争う構図となっていて、日本時間の午前9時40分現在、集計率14.3%で、得票率はトランプ前大統領が52.9%、ヘイリー元国連大使が46.2%とトランプ氏がリードしています。

トランプ氏は初戦のアイオワ州で30ポイントあまりの大差で勝利しています。

ヘイリー氏はここで踏みとどまることができなければ、選挙戦を続けること自体、難しくなると見られていて、ヘイリー氏がどこまで巻き返しを図れるのかが焦点です。

投票を終えた人は

トランプ氏に投票した男性の1人は「大統領時代の業績を評価した。トランプ氏は国境管理を強化し、犯罪にも厳しい姿勢をとった。ヘイリー氏に大差で勝つだろう」と話していました。

ヘイリー氏に投票した女性の1人は「アメリカには冷静な指導者が必要だと考えたことと、トランプ氏は非常によくないと思うからだ。ヘイリー氏に勝利してほしいと思うが、おそらくトランプ氏が勝利し、がっかりする結果になると思う」と話していました。

トランプ陣営「ヘイリー氏は早期に撤退を余儀なくされる」

ニューハンプシャー州でトランプ陣営の選挙対策本部長を務めるルー・ガーグアイウロ氏がNHKのインタビューに応じ、トランプ氏の勝利に強い自信を示すとともに、ヘイリー氏は早期に選挙戦からの撤退を余儀なくされるとの見方を示しました。

この中でガーグアイウロ氏は有権者が抱いている懸念について、燃料価格の高騰をはじめとした経済状況、イスラエルやウクライナへの軍事支援を行うための多額の税金の投入、メキシコとの国境からの不法入国者の増加などが挙げられると指摘しました。

そのうえで、「トランプ政権時を思い起こせば、ガソリン価格は低く、経済は好調で、軍はもっと強かった。トランプ氏は厳格な国境管理、強い軍隊、好調な経済を望むアメリカ人の心を魅了することができるたぐいまれな人物だ。彼にはアメリカ合衆国大統領としてのすばらしい実績がある」と述べて、大統領を務めた4年間の実績が何よりもの強みだと強調しました。

また、追い上げをはかるヘイリー氏については「ニューハンプシャー州で2位になっても、それは何の保証にもならない。彼女はニューハンプシャー州の後、早々に消え去ることになるだろう。世論調査ではヘイリー氏は地元のサウスカロライナ州でトランプ氏に大きく引き離されており、2月下旬のサウスカロライナ州の予備選挙まで踏みとどまれるとは思えない」と述べて、早期に撤退を余儀なくされるとの見方を示しました。

ヘイリー支持者「善戦することはできる」

ニューハンプシャー州の共和党トップを長年務め、大口献金者としてヘイリー氏の選挙運動を支えているスティーブ・デュプレイ氏がNHKのインタビューに応じ、ヘイリー氏は世論調査でトランプ氏にリードを許しているものの、善戦することはできると強調しました。

この中でデュプレイ氏は「ヘイリー氏はニューハンプシャー州で勝利するか、それに近い結果を出す必要がある。もし、ここで残念な結果に終われば、トランプ氏を倒す候補者が事実上1人もいなくなる」と述べ、危機感を示しました。

そして、ニューハンプシャー州の有権者は直前の週末に投票先を決断する傾向が強いと指摘した上で、「ニューハンプシャー州の人々は“どうやら勝てそうにない候補者”を好む。今回の場合はヘイリー氏がこれにあたる。過去にトランプ氏に投票している人でも、“今こそページをめくり、前進する時だ”というメッセージを送ることに夢中になりつつある」と述べ、有権者の間にヘイリー氏を勝たせたいという思いが広がる余地があり、善戦することはできるという見方を示しました。

そのうえで、「ヘイリー氏はとにかく、ニューハンプシャー州で勝ち、さらに、2月下旬のサウスカロライナ州の予備選挙でも勝たなければならない。そうすれば勢いが出て、資金面でも多くの州が予備選挙を一斉に行う3月5日の『スーパーチューズデー』を戦えるようになる。それらがうまく行った場合はトランプ氏との1対1の戦いを最後まで続けられる」と述べ、ニューハンプシャー州でよい結果をおさめたとしても、前途は多難だと認めました。