【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(1月24日の動き)

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まってから、24日で700日となります。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる24日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

“ロシア軍用機墜落 ウクライナ兵士捕虜65人搭乗” ロ通信社

ロシアの国営通信社は、ロシア国防省の話として、ウクライナと国境を接している西部のベルゴロド州でロシア軍の軍用機が墜落したと伝えました。

墜落したのはイリューシン76型輸送機で、ロシア国営のタス通信社は、捕虜となったウクライナ軍の兵士65人が乗っていたほか、ロシア軍の乗員6人や護衛の兵士3人が乗っていたとしています。

輸送機は捕虜交換のためにベルゴロド州に向かっていたということです。

ロシア議会下院のカルタポロフ国防委員長はロシアメディアに対して、「ミサイルで撃墜された」と述べ、ウクライナの一部メディアは軍関係者の話として「ウクライナ軍の攻撃によるものだ」と伝えています。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は「これから調査する」としています。

キーウやハルキウなど大規模な攻撃続く

ウクライナ軍は23日、ロシア軍がウクライナ各地に巡航ミサイルなど合わせて41発のミサイルで攻撃を仕掛け、このうち21発を撃墜したと発表しました。

ハルキウでは変電所やガスパイプラインに被害があり、厳しい寒さの中、市内の一部地域で停電が起きているほか、暖房も使えなくなっているということです。

この攻撃についてロシア国防省は、「ミサイルや砲弾などを生産するウクライナの軍需工場に対して一斉攻撃を行い、すべての目標を破壊した」と主張しました。

ゼレンスキー大統領「長距離の攻撃で報復する」

ゼレンスキー大統領は動画での演説で、「200以上の建物が被害を受け、130人がけがをした。残念ながら18人が殺害された」述べ、各地で大きな被害が出たと明らかにしました。

そのうえで、「この国は典型的なテロリストだ。ウクライナには長距離の攻撃で反撃する能力があることを知らしめる」と述べ、ウクライナ軍は、長距離の兵器を使ってロシア領などに対する反撃を行う構えを強調しました。

戦争研究所「ロシア さらに多くのミサイルを得ようとしている」

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は23日、今回のロシア軍の攻撃について、巡航ミサイルや弾道ミサイル、そして地対空ミサイルなど、さまざまな種類のミサイルが使用された一方、無人機は使われなかったとしていて、「ウクライナの防空網を突破するため、攻撃の組み合わせの実験を行っている」と指摘しました。

そのうえで、弾道ミサイルによる攻撃が目標に到達する可能性がより高いとして、「ロシアはイランや北朝鮮などからさらに多くの弾道ミサイルを得ようとしている」と分析しています。

米紙「北朝鮮のミサイル ロシア製と性能変わらない」

アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは22日、ロシア軍がウクライナで使用した北朝鮮のミサイルについて、比較的最近、製造されたもので、性能はロシア製のものと変わらないとするアメリカ政府関係者などの分析を伝えました。

また、これまでに北朝鮮から提供されたミサイルは50発以下にとどまるものの、今後、増加するとみられるということで、ロシア側の攻勢が強まることが懸念されています。

プーチン大統領 北朝鮮・トルコ訪問へ 外交活発化

ロシアのプーチン大統領は、1月16日にモスクワを訪問した北朝鮮のチェ・ソニ外相と会談し、北朝鮮側は、プーチン大統領が早い時期に北朝鮮を訪問する用意があると表明したと発表しました。

これに関連して、ロシア大統領府のペスコフ報道官は23日、プーチン大統領がことし3月の大統領選挙前に北朝鮮を訪問する可能性について記者団から質問されたのに対し、「ない。これは長期的な計画だ」と述べ、訪問は、大統領選挙以降になるという見通しを明らかにしました。

一方、ペスコフ報道官は、調整が進められているプーチン大統領のトルコへの訪問については「大統領選挙前であっても行われる可能性がある」と述べました。

また、ペスコフ報道官は、プーチン大統領が今週、同盟関係にあるベラルーシのルカシェンコ大統領と会談するという見通しを示しました。

プーチン大統領は、欧米によるウクライナへの軍事支援が停滞していると指摘されるなか、ロシアと関係の深い国々との連携強化を図るなど、外交の動きを活発化させるとみられます。