“木密地域” 約1100棟住宅耐震化 助成大幅拡充へ 東京 練馬区

能登半島地震で、古い木造住宅が多く倒壊したことから、練馬区は、いわゆる「木密地域」にあるおよそ1100棟の住宅の耐震化を進めるため、大幅に助成を拡充する方針を示しました。

これは、23日練馬区の前川燿男区長が、新年度予算案の会見で明らかにしました。

助成拡充の対象となるのは、西武鉄道「富士見台駅」の北側や、「桜台駅」の北東部など、5か所の地域にある1981年以前の古い耐震基準で建てられたおよそ1100棟の住宅です。

耐震診断の費用を今の4分の3から全額助成するほか、実施設計や改修工事などへの助成も、今の3分の2から4分の3に拡充し、上限額も大幅に引き上げます。

区によりますと、診断から耐震改修までの平均費用はおよそ430万円で、その場合、自己負担は、これまでの266万円から半額以下の110万円になるということです。

区では、今後4年間で400棟を耐震化する計画で、そのための費用として、総額9億1000万円を見込んでいます。

前川区長は「首都圏でも能登半島地震と同規模の地震は近い将来、必ず起き、ひとごとではない。建物の倒壊などの被害を防ぐためには、木密地域の耐震化は絶対にやらなくてはいけないので、住民の理解を得ながら着実に進めていきたい」と話していました。

地区のまちづくり委員長「耐震化を進めてもらいたい」

練馬区の「木密地域」の一つ、貫井・富士見台地区は、古い木造住宅が密集し、道幅も狭いため、災害時に建物の倒壊や延焼の危険性が高いとされています。

地区のまちづくり委員会で、委員長を務める大沢一賀さんは「今回の能登半島の被害をみて、改めて大変なことだと思いました。この地域も道路が狭くて避難が難しかったり、消防車が入りづらかったりする懸念があるので、より多くの人に補助を活用して耐震化を進めてもらいたい」と話していました。