「日本国際賞」気象学の基礎を築いた英米の研究者などが受賞

科学技術の分野で優れた業績をあげた研究者に贈られる「日本国際賞」のことしの受賞者に、数値モデルやデータ解析を通じて遠く離れた場所の天候を予測するという現在広く活用されている気象学の基礎を築いたイギリスとアメリカの研究者などが選ばれました。

「日本国際賞」は、国際科学技術財団が、科学技術の分野で人類の平和と繁栄に貢献する優れた業績をあげた研究者に毎年贈っていて、ことしの受賞者にイギリス、レディング大学教授のブライアン・ホスキンス博士(78)と、アメリカ、ワシントン大学名誉教授のジョン・ウォーレス博士(83)などが選ばれました。

ホスキンス博士らは天気予報がまだ予報官の経験に頼っていた1970年代後半から、遠く離れた場所の温帯低気圧などの発達過程を数値モデルを使って初めて再現したり、解析データをもとに大気の循環のパターンを突き止めたりするなど、現在広く活用されている天気予報や気象学の基礎となる研究を進めてきました。

財団は授賞理由について、近年、世界各地で異常気象に伴う甚大な災害が頻発し、天気予報の防災・減災上の重要性が高まるなか、2人の半世紀にわたる貢献は大きいと指摘しています。

このほか「医学、薬学」の分野では、体内にある細胞核の中にホルモンが届く仕組みを解明し、数多くの治療薬の開発に貢献したアメリカ、ソーク研究所教授のロナルド・エバンス博士(74)が受賞しました。

「日本国際賞」の授賞式は4月16日に都内で行われます。