安倍元首相銃撃 2回目の「公判前整理手続き」山上被告も初出席

2022年7月、奈良市で安倍元総理大臣が銃撃された事件で、殺人などの罪で起訴された山上徹也 被告の裁判を前に証拠や争点などを絞り込む2回目の「公判前整理手続き」が23日に行われ、被告本人も初めて出席しました。

2022年7月、奈良市で安倍元総理大臣が銃撃されて死亡した事件では、無職の山上徹也 被告(43)が殺人などの罪で起訴されています。

この事件は裁判員裁判で審理されるとみられ、23日午前10時すぎから奈良地方裁判所で裁判を前に証拠や争点などを絞り込む2回目の「公判前整理手続き」が行われ、被告本人も初めて出席しました。

関係者によりますと、裁判所と検察、弁護士の三者で証拠や争点に関するやりとりなどが行われ手続きは30分ほどで終わりました。

今後の手続きの日程などは決まっていないということです。

山上被告は捜査段階の調べに対し、母親が多額の献金をしていた旧統一教会に恨みを募らせた末、事件を起こしたなどと供述していたということで、裁判では被告の境遇などの情状面を踏まえた刑の重さなどが争点になるとみられます。

初めての手続きは急きょ中止に

山上被告の公判前整理手続きをめぐっては、去年6月12日、初めての手続きが始まる前に不審な段ボール箱が裁判所に届いて警察の爆発物処理班が出動する騒ぎとなり、手続きが急きょ中止となった経緯があります。

当日は本人が出席する意向を示していたことから、奈良地方裁判所は正面入り口にゲート式の金属探知機を設置したほか、警察も周辺で警戒に当たっていました。

裁判所に届いた段ボール箱の中身は被告の刑を軽くするよう求める署名でしたが、この騒ぎの影響で初めての手続きは去年10月に延期されました。

弁護団によりますと、被告はこの時「爆発物でなくてよかった」という趣旨の話をしたうえで、「自分が出席することでこのような騒ぎが起きた。手続きに出席するかどうかはよく考えたい」などと話していたということです。

そして、去年10月13日に改めて初めての手続きが行われましたが被告本人は出席せず、手続きへの出席は今回が初めてです。

2回目の手続き 奈良地裁では厳戒態勢

山上徹也被告の裁判に向けた2回目の公判前整理手続きが行われた奈良地方裁判所では、人の出入りを正面玄関の一か所に限定したほか、入り口に金属探知機を設置して出入りする一人一人の荷物をチェックする厳戒態勢がとられました。

23日は被告本人も出席し、午前9時半前に被告を乗せたとみられる車が裁判所に入りましたが、裁判所やその周辺で目立った混乱などはありませんでした。