25日にかけ日本海側中心に被災地でも大雪の見込み 十分注意を

この冬一番の強い寒気と冬型の気圧配置の影響で、25日ごろにかけて日本海側を中心に大雪となる見込みで、能登半島地震の被災地では雪が強まっています。ふだん雪の少ない西日本や東海などでも大雪となるおそれがあります。交通への影響に十分注意し、安全な場所で過ごすようにしてください。

この冬一番の強い寒気 すでに西日本・北陸で降雪

気象庁によりますと、上空に強い寒気が流れ込み、日本付近はしだいに冬型の気圧配置となっています。

東日本と西日本の日本海側を中心に、能登半島地震の被災地でも雪が強まっていて、午後10時までの3時間に降った雪の量は
▽石川県七尾市で11センチ
▽新潟県長岡市で10センチ
▽金沢市と石川県珠洲市で9センチ
▽富山県氷見市で7センチ
▽松江市で4センチ
▽佐賀市で1センチなどとなっています。

これからこの冬一番の強い寒気が流れ込んで冬型の気圧配置が強まるため、25日ごろにかけて、日本海側の山沿いを中心に大雪となる見込みです。

▼24日夕方までの24時間に降る雪の量は、いずれも多いところで
▽新潟県で100センチ
▽北陸と近畿で80センチ
▽東北と東海で70センチ
▽関東甲信と中国地方で60センチ
▽北海道で40センチ
▽四国で30センチ
▽九州北部で25センチ
▽九州南部で15センチと予想されています。

また
▼25日夕方までの24時間には
▽新潟県で70センチから90センチ
▽東北で60センチから80センチ
▽北陸と中国地方で50センチから70センチ
▽北海道と近畿で40センチから60センチ
▽関東甲信と東海で30センチから50センチの雪が降る見込みで
その後も北日本から西日本の広い範囲で雪の量が増えると見込まれています。

ふだん雪の少ない東海や近畿、四国、九州などの平地でも大雪となり、積もるところがある見込みです。

北陸や北日本では25日にかけて、海上を中心に雪を伴った非常に強い風が吹き、大しけになる見込みで、気象庁は積雪や路面の凍結による交通への影響や高波に十分注意するとともに、なだれや着雪、雪を伴った強風などに注意するよう呼びかけています。

最新の気象や交通の情報を確認し大雪が予想される地域では不要不急の外出を控えるほか、車で移動する場合には通行ルートの検討やチェーンの装着を徹底してください。

夜間に停電が発生する可能性もあります。

照明や暖をとるための手段を確保するなど対策を確認し、安全な場所で過ごすようにしてください。

また、能登半島地震で損傷を受けている建物は雪の重みで倒壊するおそれがあり注意が必要です。

被災地は厳しい寒さ続く 低体温症にも注意

被災地では24日は1日を通してほとんど気温が上がらず、日中の最高気温は
▽富山市で1度
▽金沢市と石川県輪島市で2度などと予想され
厳しい寒さが続く見込みです。

避難生活の長期化で体調を崩す人が相次ぎ、「災害関連死」の疑いで亡くなった人も確認されています。

引き続き、低体温症に注意して、家族や周りに体調を崩している人がいないか声をかけあい、毛布などで体を暖めたり定期的に体を動かしたりするなど、体温が下がらないよう対策を心がけてください。

地震活動は依然活発

一方、能登地方やその周辺を震源とする地震の回数は徐々に減少しているものの、依然、地震活動が活発な状態が続いています。震度1以上の揺れを観測した地震はきょう午後4時までに1503回にのぼり、気象庁は今後1週間ほどは最大震度5強程度かそれ以上の地震に注意するよう呼びかけています。

被災地 23日夜遅くから大雪の見込み

この冬一番の強い寒気が流れ込み、冬型の配置が強まる影響で、23日夜遅くから25日午前にかけて大雪になる見込みです。

24日夕方までの24時間に降る雪の量は、いずれも多いところで
▽能登地方の平地で30センチ、山地で50センチ
▽加賀地方の平地で30センチ、山地で70センチと予想されています。

さらに、25日夕方までの24時間では
▽能登地方で20センチ~40センチ
▽加賀地方で20センチ~50センチの雪が降る見込みです。

また、海上を中心に雪を伴った強い風が吹き、海はしける見込みです。

気象台は大雪による交通への影響や強風、高波などに十分注意するよう呼びかけています。

湿った雪の重みで地震で損傷を受けている建物が倒壊したり、電線が切れて停電が発生したりするおそれもあるほか、被災地の沿岸付近では高波によって浸水する可能性もあります。

気温も下がるため、体を動かすなどして体調管理にも注意してください。

【動画】石川県内の雪の見通し 気象予報士解説

石川県内の今後の雪の見通しと注意点について、池津勝教 気象予報士の解説です。
1月23日「かがのとイブニング」で放送しました。

※動画は4分56秒 データ放送ではご覧になれません。

石川県 23日午後8時から予防的通行止め区間も

石川県では25日にかけて大雪が予想されるため、石川県と金沢河川国道事務所は県内の国道や県道などの8つの区間について、除雪作業などのため、23日午後8時から予防的に通行止めにすると発表しました。

23日午後8時から予防的に通行止めとなるのは、▽のと里山海道の柳田インターチェンジから横田インターチェンジの区間、▽能越自動車道ののと三井インターチェンジからのと里山空港インターチェンジの区間、▽国道249号の七尾市深見町から穴水町川島の区間、▽県道「七尾輪島線」の穴水町川島から輪島市河井町の区間、▽県道「漆原下出線」の輪島市三井町漆原から輪島市三井町洲衛の区間、▽県道「穴水門前線」の穴水町小又から輪島市門前町本市の区間、▽県道「珠洲道路」の穴水町此木から珠洲市宝立町の区間、▽県道「宇出津町野線」の能登町宇出津から上町の区間の、あわせて8つの区間です。

石川県は能登地方への物資の輸送などの支援を今後も継続的に実施するため、この区間で一時的に短い期間での全面通行止めを予定しているとしています。

珠洲 泉谷市長「無事だった除雪車両43台を稼働させて除雪に」

珠洲市の泉谷市長は大雪が予想されることを受けて、「本来あった除雪車両78台のうち、無事だった43台を稼働させて除雪にあたりたい。ただ、地震の被害もあり、暗いうちは危険なので、明るくなってから慎重に進めたい。幹線道路を主に担う県と連携しながら、市道を中心に除雪していきたい」と述べました。

北海道 21の市町村 すべての公立小中学校が臨時休校

北海道では23日、大雪が見込まれるとして、帯広市や稚内市など21の市町村ですべての公立小中学校が臨時休校になるなど、影響が広がっています。

北海道教育委員会によりますと、公立の学校や幼稚園で臨時休校や休園となったのは
▽幼稚園が7園
▽小学校が117校
▽中学校が69校
▽義務教育学校が3校
▽高校が10校
▽特別支援学校が1校の
合わせて207校です。

雪や強風で空の便に影響(23日午後4時時点)

雪や強風で空の便に影響が出ています。

航空各社によりますと、23日午後4時の時点で、欠航したり欠航が決まったりしている国内線は、▽全日空が稚内空港や小松空港などを発着する26便、▽日本航空が新千歳空港などを発着する26便、▽エア・ドゥが釧路空港などを発着する4便となっています。24日については、▽全日空が稚内空港や富山空港などを発着する10便を欠航すると発表しています。航空各社は天候の状況により、さらに欠航が増えるおそれもあるとして、ホームページなどで最新の情報を確認するよう呼びかけています。

JR東海 “24日始発から運転見合わせや遅れの可能性”

JR東海は大雪や強風が見込まれるとして、在来線では24日の始発から運転見合わせや遅れが発生する可能性があるとしています。

東海道新幹線は今のところ、始発から通常どおりの運行を予定していますが、JR東海は最新の運行状況をホームページなどで確認するよう呼びかけています。

被災地でも大雪の見込み「停電や食料確保が心配」

23日夜から被災地でも大雪となることが見込まれることについて、輪島市の息子の家に身を寄せている50代の女性は「雪が降ると停電や食料が確保できるか心配しています。復旧作業なども大変になるので積もらないでほしい」と話していました。

車中泊を続ける人も

能登半島地震の被災地では自宅が被災するなどしたため、23日も車中泊を続ける人の姿が見られました。

石川県珠洲市正院町で祖父の代から3代にわたって銭湯を経営する坂口清次さん(84)は能登半島地震で自宅が傾くなどしたほか、隣にある銭湯の施設も大きな被害を受けました。地震の後、坂口さんは地元を離れたくないと、日中は自宅で過ごし、夜は自宅前の駐車場で車中泊を続けています。

被災地では25日ごろにかけて大雪が見込まれることから、坂口さんは毛布4枚を用意するなど寒さ対策をしていますが、今後の雪の見通しに不安を抱いています。

坂口さんは「寒くないと言ったらうそになりますが、それでも大切な場所を離れたくないです。雪が積もると自分で除雪作業を行わないとならないため大変です」と話していました。

福井で大雪予想 さらなる住宅被害に不安の声

福井県内で大雪が予想されていることについて、今月1日の地震で震度5強の揺れを観測したあわら市では、住宅にさらなる被害が出るのではないかという不安の声が聞かれました。

福井地方気象台によりますと、県内では23日夜始めごろから雪が強まる見通しで、平地も含めて大雪となるところがある見込みです。

今月1日の地震で震度5強の揺れを観測したあわら市に住む渡邊康徳さん(56)の住宅は土台部分にひびが入るなどの被害が確認され、応急危険度判定で「危険」と判定されました。

渡邊さんによりますと、市営住宅に移るまでは住まざるをえないということで、大雪でさらなる被害が出ないか不安だということです。

渡邊さんは「雪で地盤が緩み、家の土台部分がこれ以上傾くのではないかと心配しています。自然が相手なのでどうしようもないですが、これ以上、余震や積雪がないことを祈るばかりです」と話していました。

林官房長官「積雪による家屋倒壊に注意」

林官房長官は閣議のあとの記者会見で、「この冬一番の強い寒気が流れ込み、特に今夜からあすにかけては北陸地方でも降雪が強まるおそれがある。大雪の場合は不要不急の外出を控えるとともに、積雪による被災した家屋の倒壊にも注意する必要がある。最新の気象情報や交通情報などに留意してほしい」と述べました。