ガザ地区南部で激しい攻撃 さらなる犠牲に懸念 治療追いつかず

パレスチナのガザ地区で軍事作戦を進めるイスラエルは、南部のハンユニスに激しい攻撃を加えています。ガザ地区の保健当局によりますと病院には多くのけが人が搬送され、治療が追いついていないということで、住民のさらなる犠牲が懸念されています。

イスラエル軍は、ハマスの重要な拠点があるとするガザ地区南部のハンユニスで戦闘地域を拡大して空爆や地上部隊による激しい攻撃を行っていて、22日も市街地では銃声と爆撃音が響きました。

ガザ地区の保健当局によりますとハンユニスの病院には多くのけが人が搬送されていて、医薬品や手術室などが足りず、治療が遅れるケースも出ているということです。

また、保健当局はハンユニスの西側の地区では病院内にイスラエル軍の兵士が突入し、医療関係者を拘束したとしているほか、パレスチナ赤新月社は市内の別の病院が戦車などの部隊に包囲され、活動している医療チームと連絡が取れなくなっていると訴えています。

ガザ地区の保健当局は22日、イスラエル軍の攻撃によるこれまでの死者は2万5295人に上るとしていて、住民のさらなる犠牲が懸念されています。

一方、ガザ地区での戦闘が長期化するなか、アメリカとエジプト、それにカタールの3か国が、段階的に停戦を目指す枠組みを提案しているとする報道が相次いでいます。

しかし、イスラエルのネタニヤフ首相は、22日、ハマスに拘束されている人質の家族との面会で「ハマス側からは真剣な提案は何もない」と述べ、交渉の進展に否定的な姿勢を見せていて、戦闘の休止や人質の解放につながるかは見通せない状況です。