自民 政治刷新本部 法令違反の派閥に解散や活動休止要求へ

派閥の政治資金パーティーをめぐる事件を受けて、自民党は「政治刷新本部」の会合で中間とりまとめに向けた論点を示しました。法令違反が明らかになった派閥に対し、解散や一定期間の活動休止を求められるようにするなどとしています。

自民党は22日、党本部で岸田総理大臣も出席して、すべての議員を対象に「政治刷新本部」の会合を開き、今週25日にも行う中間とりまとめに向けた論点を示しました。

この中では「『政治は国民のもの』という立党の原点に立ち戻り、わが党みずからが変わらなければならない」としています。

そして、党が運用面で進める改革として
▽派閥の収支報告書に外部監査を導入するほか
▽会計責任者が逮捕・起訴された場合に議員を処分するなど、コンプライアンスを徹底するとしています。

また、派閥については、カネと人事から完全に決別し、真の「政策集団」とするとして
▽政治資金パーティーを全面禁止し
▽閣僚人事などでの働きかけを禁止するとともに
▽政治資金規正法違反などが明らかになった場合は、党が審査し、事案に応じて解散や一定期間の活動休止を求められるようにするとしています。

さらに、政治資金の透明化・公開性の向上などを図るため、各党と真摯(しんし)な協議を行い、政治資金規正法の改正などの法整備を進めるとしています。

本部は、この論点をもとに23日も中間とりまとめに向けた議論を行うことにしています。

首相 岸田派の解散意向 “けじめをつけるため判断”

岸田総理大臣は自民党の「政治刷新本部」の会合で、先に岸田派を解散する意向を示したことについて「派閥として、どうけじめをつけるのかということで解散を判断した」と説明しました。

そのうえで「それぞれの派閥の関係者がみずからどのようにけじめをつけるのか、どのように説明責任を果たすのかは大変重要なことだ」と強調しました。

そして「『政治刷新本部』では並行して、党として、どういった方向性を目指すのか、さらにはどういったルールを決めるのか方針を議論していく。これらはともに大事なことだ」と述べ、派閥ごとの対応と、党としての再発防止策の構築の両方が重要になるという考えを示しました。

茂木派 加藤前厚労相「何が問題かをしっかり整理を」

茂木派の加藤前厚生労働大臣は記者団に対し「『派閥解消』というより、何が問題かをしっかり整理して、どのように問題を解消していくかを提示する作業を丁寧にやっていくことが大事だ」と述べました。

麻生派 井上元万博相「お金や人事の面で批判 改革すべき」

麻生派の井上元万博担当大臣は、記者団に対し「派閥はもともと政策集団なので、議員どうし切磋琢磨(せっさたくま)したり、情報共有したりするなどいろいろな機能があるが、お金や人事の面で批判を受けているので当然、改革すべきだ。麻生派としては中間とりまとめを踏まえ、皆で相談して今後のあり方を決めていく」と述べました。

麻生派 高村正大外務政務官「派閥の機能は残すべき」

麻生派の高村正大 外務政務官は、記者団に対し「派閥には、ある程度必要な機能がある。問題は政治資金規正法にのっとった記載をしなかったという事実であり、政治資金規正法が機能したから発覚した。派閥の機能は残すべきだと思っている」と述べました。

茂木派 津島淳衆院議員「派閥は純粋な政策集団に」

茂木派の津島淳衆議院議員は記者団に対し「法の抜け穴がどこにあったのかを解明し穴を埋めていくのが法改正であり、何があったのかを明らかにしないと議論している内容が適切なのか判断できないと主張した」と述べました。

そして「派閥は純粋な政策集団として生まれ変わるべきだ。政策について切磋琢磨する場として、カネや人事が絡まないような形にすべきだ」と述べました。

無派閥 石破元幹事長「公平性の担保 議論詰めるべき」

無派閥の石破元幹事長は記者団に対し「中間取りまとめの論点に書かれていること自体に異論があるわけではなく方向性として間違っていない。ただ、政策集団はお金とポストに関与しないとしていることについて、党がどのようにそれを担い、どう公平性を担保するか議論を詰めていかなければならない」と述べました。

無派閥 青山繁晴参院議員「首相は派閥の全廃を」

無派閥の青山繁晴参議院議員は記者団に対し「不当な利益集団に成り下がってる派閥を全部なくすべきだ。岸田総理大臣が全部責任をかぶり派閥の全廃を打ち出し、新人教育は本当に派閥でなければできないのかなどを考えるのがごく当たり前の正しい手順であり、それに立ち戻れないと政権を握る資格はない」と述べました。