核禁条約3年 ICAN事務局長 “日本 オブザーバーで会議参加を”

核兵器禁止条約が発効して22日で3年となるのにあわせ、国際NGO ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンのメリッサ・パーク事務局長が都内で会見を開き、日本政府に対して、「唯一の戦争被爆国という立場だからこそ、道義的な指導力を示すことができるはずだ」として、まずはオブザーバーとして締約国会議に参加するよう求めました。

核兵器禁止条約の採択に貢献したとして、2017年にノーベル平和賞を受賞した、ICANの事務局長に去年9月に就任したメリッサ・パーク氏は、条約の発効から3年となるのにあわせて来日し、広島や長崎を訪問しました。

そして22日は日本記者クラブで会見し、この中で、核兵器禁止条約に参加していない日本政府について、「核の傘によって守られるというのは幻想に過ぎず、核抑止の理論を推進することは、核拡散のリスクを増大させ、軍縮の努力を損なうことになる」と指摘しました。

そのうえで「日本は唯一の戦争被爆国という立場だからこそ、道義的な指導力を示すことができるはずだ。今からでも遅くはなく、まずはオブザーバーとして締約国会議に参加してほしい」と求めました。

さらに、各国の指導者に向けて「被爆者が語り継いできた物語をしっかりと心で聞き、核兵器がどういう影響を人間に与えるのかを理解してほしい」と呼びかけました。

日本被団協が声明 “日本政府の条約参加を強く求める”

日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会は「締約国の一層の増加とともに、さらなる真摯(しんし)な議論がなされることを期待し、何より日本政府が条約に参加することを強く求めます。核兵器の存在と使用がどのような世界をもたらすのか、その悲劇的結末を、日本政府に、世界に、被爆者は支援の皆さんと共に訴え続けていきます」などとする声明を発表しました。

声明は、内閣府と外務省に送られたということです。