イスラエル首相“ハマス壊滅まで戦闘”強硬姿勢に国内で批判も

イスラエルのネタニヤフ首相がイスラム組織ハマスの壊滅まで戦闘を続ける構えを見せる中、国内では強硬な姿勢に対して批判の声も出ています。
一方、アメリカの有力紙は、ハマスは今後、何か月も戦えるというアメリカの情報機関の分析を報じています。

ガザ地区では、21日も南部のハンユニスなどでイスラエル軍による攻撃が相次ぎ、ガザ地区の保健当局は、これまでの死者は2万5105人に上ったと発表しました。

こうした中、イスラエルのネタニヤフ首相は21日に演説し、ハマスが人質の解放と引き換えに、ガザ地区からのイスラエル軍の撤退などを要求していることに触れ、「ハマスの壊滅と、人質全員の帰還を確かなものにするのは完全な勝利だけだ」として、ハマスとのいかなる交渉にも応じず、軍事作戦を続けると改めて強調しました。

一方、かつて軍の参謀総長を務め、野党から戦時内閣に参加しているアイゼンコット氏は、地元テレビ局のインタビューで、「ハマスと交渉せずに近い将来、人質を取り戻すことは不可能だ。信頼を回復するため、数か月以内に総選挙を行い有権者の声を聞く必要がある」と主張して、ネタニヤフ首相の強硬な姿勢を批判し、総選挙の実施を求めました。

さらに、アメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は21日、アメリカの情報機関の分析として、ハマスが最大3万人いた戦闘員のうちイスラエル軍の攻撃で失ったのは20%から30%で、今後何か月も戦えるだけの弾薬の備蓄もあるとしています。

「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、アメリカやエジプト、それにカタールの3か国が、停戦を目指す新たな枠組みを提案していて、実現に向けた交渉が始まる見通しだとも報じていますが、事態の打開につながるのかは不透明です。