石川県 “孤立状態 実質的に解消”も「要支援集落」残る

石川県によりますと、21日午後2時時点で孤立状態は実質的に解消しているということです。

一方で、道路の通行などが難しい集落にみずからの意思で残っているのは、輪島市の
▽大屋地区が5人
▽南志見地区が1人
▽西保地区が5人
▽三井地区が3人で、
4つの地区であわせて14人となっています。

県は孤立状態が解消されても被災地には道路の状態などが不安定で引き続き支援が必要な「要支援集落」が残っているとして、支援を続けることにしています。

一時、孤立状態となった石川県輪島市の山あいの地区で、住民らが今後のことを話し合い、地区に残るという住民がいる一方で、被害が大きく別のところに移らざるをえないという声も聞かれました。

輪島市町野町 若桑地区で話し合い“移らざるをえない”の声も

輪島市町野町は地震による大規模な土砂崩れなどで一時、孤立状態となりました。このうち、50人ほどが暮らす山あいの若桑地区では、21日、住民らが集まり、今後のことについて話し合いが行われました。

話し合いには15人ほどが参加し、多くの人は引き続き地区に残り、支えあいながら生活をしたいという考えを示しました。

その一方で、住宅の被害が大きいことや生活への不安などから、別の地区に移らざるをえないという声も聞かれ、高齢化が進む中、今後、集落をどう維持していくか課題が浮き彫りとなりました。

将来的に、別のところへの転居を考えているという自動車整備士の50代の男性は「倉庫が半分くらい倒壊した。工場のシャッターが上がらず、電気も来ない状態だ。家族にとても負担をかけている。地区から離れるしかないと思う」と話していました。

また、区長をつとめていた岡田幸吉さん(77)は、より安全な場所へ移る2次避難を希望していて「私の家は倒壊する危険があり、車中泊を続けているが、足がしもやけや凍傷にかかったような感覚でつらい。地区には強い愛着があるが、2次避難せざるをえない」と話していました。