冬のユース五輪 鬼田来人 銅メダル ショートトラック男子1000m

韓国で開かれているユースオリンピックのスケートショートトラック男子1000メートルで、16歳の鬼田来人選手が銅メダルを獲得しました。

韓国で開かれているユースオリンピックは21日、スケートショートトラックの男女1000メートルが行われ、日本からは男女それぞれ2人ずつが出場しました。

1周110メートル余りのリンクを9周して着順を競う1000メートルでは、男子の鬼田選手が日本勢でただ1人、決勝に進みました。

5人で争われた決勝は、韓国の選手の転倒によるアクシデントで、レースがやり直される思わぬ展開となり、2回目のレースで鬼田選手はスタートから上位の選手に食らいつきました。

途中で韓国の選手が再び転倒し、優勝争いが4人に絞られる中で、鬼田選手は懸命に前を追いましたが及ばず、1分26秒478のタイムで4番手でフィニッシュしました。

その後、トップでフィニッシュした中国の選手が反則で失格となり順位が繰り上がったため鬼田選手が3位となり、銅メダルを獲得しました。今大会の日本勢のメダル獲得は2つ目です。

金メダルは別の中国の選手が獲得し、日本の17歳、渕上結太選手は準々決勝で敗れました。

鬼田来人「説明できない感情だった」

鬼田来人選手は「最後の最後まで展開が分からずすごくヒヤヒヤしたが最後にはメダルを確保できてすごくよかった。3位と分かったときは説明できない感情だった」とほっとしたような表情で話しました。

そのうえで「レースのやり直しがあって足が結構疲れていたが、頑張って粘って何とか滑りきることができた。ことしはこの大会を目標にしてずっと休まずに一生懸命練習してきたので、結果につながったと思うしここからはもっともっと頑張ってもっと上を目指したいと思う」と話していました。

◆鬼田来人(きだ・らいと)選手とは

鬼田来人選手は韓国人の父親と日本人の母親を持つ16歳で、小学校1年生まで韓国のソウルで育ちました。兄の影響で4歳の時にソウルでスケートを始め、父親の仕事の都合でアメリカに移り住んだあともソルトレークシティーのクラブチームで競技を続けてきました。

それでも「母の母国である日本に憧れがあった」と日本代表としての国際大会出場を目指して、2023年からは長野に拠点を移して練習を積んでいます。

憧れの選手は2022年の北京オリンピックにスケートのショートトラックで出場した宮田将吾選手で、今後も日本でオリンピック出場を目指す考えだということです。

井上暖乃美 連日の表彰台はならず

一方、女子は20日の1500メートルで銅メダルを獲得した15歳の井上暖乃美選手が準々決勝で逆転を許して準決勝に進めず、連日の表彰台はなりませんでした。女子は中国勢がワンツーフィニッシュを果たし、17歳の吉澤葵選手は準々決勝敗退でした。

井上選手は「内側を詰めないといけないところで開けてしまったり、加速しないといけないところでできなかったりとミスが重なってしまった。スタートから前の方のポジションをとってねらいどおりだったが最後少し気を抜いてしまった」と反省を口にしました。

そして、今後に向けては「しっかり周りを見て、しっかりコーチの指示を聞いてレースしたいと思う」と話していました。