地震被害の珠洲市と能登町 中学生約140人 金沢市に集団避難

能登半島地震で被害を受けた石川県珠洲市と能登町に住む中学生およそ140人の集団での避難が、21日行われました。

珠洲市と能登町では、すべての中学校が22日には再開する予定ですが、金沢市での集団での避難を希望した生徒は21日に移動しました。

このうち、珠洲市内の集合場所となっている珠洲市民図書館には、スーツケースなどの大きな荷物を持った生徒たちが家族とともに集まりました。

3年生の竹中遙空さんは「受験勉強をするために避難することを決めました。残りの日は少ししかないので、一日一日を大事に過ごしたいと思います」と話していました。

母親の喜美さんは「家族のことを心配して避難するか迷っていたので、送り出すことにしました。友達も一緒に避難するので、みんなで協力して乗り越えてほしいです」と話していました。

生徒たちは午前10時すぎ、2台のバスに分乗して金沢市の医王山スポーツセンターに向けて出発しました。

そして、バスは午後2時ごろから順次、施設に到着し、生徒たちは雨の中、荷物を降ろして生活の拠点となる施設に入りました。

21日は、合わせて142人が避難したということです。

石川県教育委員会生涯学習課の新谷貴晴さんは「悩みや不安が出てくることも考えられるので、生徒たちの様子をしっかりと見ながら、カウンセリングや心のケアをしていきます。生徒の皆さんには、安全安心に過ごしてほしい」と話していました。

珠洲市と能登町の教育委員会によりますと、集団避難の期間は2か月ほどを見込んでいるということです。

また、避難先には授業を行う教員に加えて生徒たちの心のケアに対応するため、養護教諭も派遣するということです。

珠洲市長 希望あれば週末バスで迎えに行く対応も

中学生の集団での避難について珠洲市の泉谷市長は、記者団に対し「子どもたちには『受験勉強を落ち着いて進めるように』『落ち着いたらいつでも珠洲に帰っておいで』と伝えた」と述べました。

そのうえで、子どもたちが地元に戻れる機会を作るため、希望があれば週末にも市がバスを出して迎えに行く対応をとる考えも示しました。