能登半島北側の海岸でも2m超の地盤隆起を複数確認

能登半島地震では石川県輪島市の西部で4メートルを超える地盤の隆起が確認されていますが、能登半島北側の海岸でも複数の地点で2メートルを超えて隆起していたことが分かり、調査した専門家は「海と陸の境界に分布する海底の活断層による地震の理解につなげるため、さらに調査したい」としています。

東京大学地震研究所の石山達也准教授らのグループによる調査で、能登半島の北西部、輪島市門前町五十洲の漁港では今月の地震によって4メートルを超える隆起が確認されています。

このほかにも、能登半島の北部を中心に、各地で地盤の隆起が確認されていて、石山准教授らは輪島市の光浦町から塚田町にかけての4キロほどの範囲で行った調査結果を公表しました。

それによりますと、複数の地点で海岸が1メートル以上隆起し、輪島市輪島崎町の海岸では、地震前は海面下にあったとみられる岩肌がむき出しとなり、多いところでは隆起した高さがおよそ2.2メートルに達していました。

同じ地域にある、岩礁を掘って海水を引き込んで造られた「鴨ヶ浦塩水プール」では中の海水が完全に干上がっている様子も確認されました。

文化庁のホームページによりますと、塩水プールは主に石で造られた縦25メートル、横13メートルの水泳用の屋外プールで、立地の特性を生かした珍しいスポーツ施設として国の登録有形文化財になっています。

石山准教授は「海岸付近の地形が地震によってどのように変化するかを調べることで、海と陸の境界に分布する海底の活断層が動いたときにどういう地震を起こすかの理解につながる。できるかぎり調べたい」と話していました。