ロシア中部で大規模なデモ ウクライナへの軍事侵攻以降まれ

ロシア中部のバシコルトスタン共和国で地元の著名な活動家に実刑判決が言い渡され、これに抗議する支持者らが相次いで大規模なデモを行い、拘束者も出ています。

ウクライナへの軍事侵攻以降、ロシアで大規模なデモが行われるのはまれで、大統領選挙が3月に行われるのを前に、政権は国内の安定維持に神経をとがらせています。

ロシア中部のバシコルトスタン共和国の中心都市ウファで、19日、実刑判決を受けた活動家の支持者およそ1500人が中心部の広場に集まり、抗議デモを行いました。

地元当局は抗議デモを厳しく取り締まると警告していて、地元メディアによりますと、およそ10人が治安部隊に拘束されました。

活動家はこの地域に多い少数民族バシキール人の男性で、文化や環境保護への取り組みが地元の人の支持を集めていましたが、今月17日、民族的な憎悪をあおったとして禁錮4年の判決を言い渡されました。

デモは今週に入って3度目で、実刑判決が下された17日には数千人規模に膨れ上がり、治安部隊との衝突も起きました。

ウクライナへの軍事侵攻が始まって以降、ロシアでは市民による抗議活動への取り締まりが強化され、大規模なデモが行われるのはまれです。

一連の抗議デモについて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は19日、「大規模な暴動ではない」と述べ、地域の問題だと指摘しました。

プーチン大統領が通算5回目の当選を目指す大統領選挙が3月に行われるのを前に、政権は国内の安定維持に神経をとがらせています。