ベラルーシの「軍事ドクトリン」核戦力も誇示した内容に改訂

ロシアと同盟関係にあるベラルーシは改訂中の新たな安全保障の基本原則の中に、ロシアからベラルーシ国内に配備されたとする戦術核兵器を抑止力だとする要素が盛り込まれるという認識を示し、ウクライナ情勢を巡って対立する欧米諸国へのけん制を強めています。

ロシアと同盟関係にあり、NATO=北大西洋条約機構の国とも隣接するベラルーシでは安全保障の基本原則である「軍事ドクトリン」の改訂が進められています。

これについて、ベラルーシのフレニン国防相は19日、記者団に対し、「新たな軍事ドクトリンは軍事危機のレベルに応じて国家が講じる適切なものだ」と述べ、ウクライナ情勢などを巡ってNATOとの対立が深まる中で、必要な措置だと強調しました。

そのうえで、「ベラルーシへの戦術核兵器の配備は、潜在的な敵国からの武力侵略を防ぐため、抑止力として重要な要素となる」と述べ、戦術核兵器の配備を抑止力だとする要素が盛り込まれるという認識を示しました。

ロシアのプーチン大統領は去年3月、ベラルーシにロシアの戦術核兵器を配備すると表明して、その後、核兵器の運搬が進められてきたとされ、先月、ベラルーシのルカシェンコ大統領は核兵器はすでに国内に配備されたと主張していました。

ベラルーシとしては核戦力も誇示した軍事ドクトリンに改訂することで、ロシアとともに対立するNATOへのけん制を強めるねらいです。