サッカー 日本がイラクに敗れる 連勝記録も「10」で止まる

サッカーのアジアカップで3大会ぶりの優勝を目指す日本が1次リーグの第2戦でイラクと対戦し、1対2で敗れました。去年6月から続いていた国際Aマッチの連勝記録も「10」で止まりました。

アジア杯 第2戦でイラクに敗戦

サッカーのアジアカップは24チームが出場して中東のカタールで開かれていて、3大会ぶりの優勝を目指す世界ランキング17位の日本は1次リーグの初戦でベトナムに勝ち、19日の第2戦で世界63位のイラクと対戦しました。

日本は先発メンバーに初戦で2得点をあげた南野拓実選手のほか、久保建英選手や浅野拓磨選手を起用しました。日本は立ち上がり、イラクに主導権を握られ、前半5分には中盤でのパス回しからクロスボールをあげられ、ゴールキーパーの鈴木彩艶選手がはじいたところをアイメン選手に頭で押し込まれて先制点を奪われました。

さらに、前半終了間際にも再び、アイメン選手にヘディングシュートを決められ2点目を失いました。日本は後半、堂安律選手や上田綺世選手など攻撃的な選手を次々と出場させました。

しかし、イラクの集中した守りの前になかなかチャンスをつくれず、終了間際にキャプテンの遠藤航選手がコーナーキックを頭で合わせて1点を返したものの、反撃及ばず1対2で敗れました。

日本は去年6月から続いていた国際Aマッチの連勝記録も「10」で止まりました。

日本は1次リーグで1勝1敗となり、勝ち点は「3」で変わっていません。日本は決勝トーナメント進出をかけて今月24日、1次リーグ最後の第3戦で世界146位のインドネシアと対戦します。

森保監督「次は勝って喜びのエールを届けたい」

森保一監督は「厳しい結果になり、反省をしないといけないが、選手たちは準備もしてきたし、ベストを尽くしてくれた。生まれた課題を次の試合に生かしたい」と振り返りました。そのうえで「相手がわれわれに対してモチベーション高く、ぶつかってきていることを感じている。相手の対策、モチベーションを打ち破っていけるものをこの大会で培っていかないといけない」と話しました。

そして「応援してくれているサポーター、震災で大変な思いをされている方に勇気を届けられるように、次は勝って喜びのエールを届けたい」と意気込みました。

遠藤航 主将「2失点すると難しかった」

キャプテンの遠藤航選手は「試合の入りがよくなくて、特に前半はセカンドボールや球際でかなり相手に奪われる展開になった。最後まで点を取りに行く姿勢を見せたが、2失点すると難しかった」と話しました。そして、24日のインドネシア戦に向けて「チームとしてはしっかり勝ち点3を取りに行くだけなので、最初から勢いを持って入って勝てるように頑張りたい」と抱負を話しました。

◆日本の連勝記録「10」で止まる

日本は去年3月に行われたコロンビアとの強化試合で1対2で敗れたのを最後に、6月以降、強化試合やワールドカップのアジア2次予選といった国際Aマッチで10連勝と好調を維持してきました。

【2023年】
▼3月28日 ●1-2 コロンビア
▼6月15日 ○6-0 エルサルバドル
▼6月20日 ○4-1 ペルー
▼9月9日 ○4-1 ドイツ
▼9月12日 ○4-2 トルコ
▼10月13日 ○4-1 カナダ
▼10月17日 ○2-0 チュニジア
▼11月16日 ○5-0 ミャンマー
▼11月21日 ○5-0 シリア

【2024年】
▼1月1日 ○5-0 タイ
▼1月14日 ○4-2 ベトナム
▼1月19日 ●1-2 イラク

連勝中は10試合のうち9試合で4点以上を奪うなど、高い攻撃力を見せてきました。選手別でも上田綺世選手が8得点、中村敬斗選手が6得点、田中碧選手と伊東純也選手が4得点、南野拓実選手が3得点など合わせて18人が得点をマークし、選手が入れ代わってもしっかりとした連係を見せてきました。

また、守備面でも10試合のうち無失点が5試合。1失点は3試合で、複数失点は、いずれも2点を失った去年9月のトルコとの強化試合とアジアカップ初戦のベトナム戦の2試合だけでした。

イラク戦ではアジアをリードする立場となった日本に対して、高いモチベーションで挑んできた相手の勢いに押され、先制点を奪われたあと、前半終了間際に追加点も与える苦しい展開となりました。

攻撃でもイラクの集中した守備を前に決定的なチャンスをなかなかつくれず、得点は終了間際にコーナーキックからキャプテンの遠藤航選手が頭で合わせた1点のみにとどまりました。

実は、日本は10連勝中、すべての試合で先制してきました。今回のアジアカップでは初戦でもベトナムに一時リードされ、イラクには序盤から追う展開を強いられました。

1次リーグでの黒星も、初優勝した1992年以降では初めてとなります。森保監督は試合後「相手の対策、モチベーションを打ち破っていけるものをこの大会で培っていかないといけない」と話しました。

世界の中でも注目度が高まっている日本代表にとって、今回のアジアカップはさらに飛躍するための学びの場になっています。