劇症型溶血性レンサ球菌感染症 去年1年間の患者数 過去最多

手や足のえ死などを引き起こし、死に至ることもある「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」について、去年1年間に報告された患者の数が過去最多だったことが国立感染症研究所のまとめで分かりました。

「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」は、主に「A群溶血性レンサ球菌」と呼ばれる細菌に感染し、手足のえ死や多臓器不全などが起こる感染症で、症状が急激に悪化して死に至ることもあります。

国立感染症研究所によりますと、去年1年間に全国から報告された患者の数は速報値で941人で、これまで最も多かった2019年の894人を上回り、現在の方法で統計を取り始めて以来、最多となったということです。

30歳以上の大人の患者が多いのが特徴とされ、国立感染症研究所によりますと、去年7月から12月中旬までに報告された50歳未満の患者、65人を調査したところ、21人が死亡していたということです。

感染症に詳しい岩手医科大学の元教授の櫻井滋医師は「感染の初期は、発熱やのどの痛みなど、かぜと見分けがつきにくいが、意識がはっきりしなかったり、皮膚に赤い発疹が出たりするなど、ふだんのかぜと異なる様子があれば、すぐに医療機関を受診してほしい」と話しています。