「検察の取り調べで侮辱」実際の映像 法廷とネット上で公開

刑事事件で有罪が確定した元弁護士が、「検察の取り調べで侮辱された」などとして国に賠償を求めている裁判で、実際の取り調べを録音・録画した映像が法廷で再生され、その後、原告側の弁護団によってインターネット上に公開されました。弁護団によりますと、検察の取り調べ映像が民事裁判やネット上で公開されるのは異例だということです。

2018年に横浜市で起きた無免許運転の死亡事故をめぐり、運転していた男にうその供述をさせた罪で有罪が確定した元弁護士の江口大和さんは、検察の取り調べが違法だったとして国に賠償を求めています。

18日に東京地方裁判所で開かれた裁判で、実際の検察の取り調べを録音・録画した映像が再生されました。

再生されたのは、国が証拠として提出したものを抜粋した13分間の映像で、検察官が黙秘している江口さんに対し、「ガキだよね」「うっとおしい」「社会性がない」などと発言していることがわかります。

原告側の弁護士は、裁判が終わったあとに、この映像をインターネット上で公開しました。

裁判で原告側は「憲法で保障されている黙秘権を侵害されたうえ、侮辱的な発言を繰り返された」と主張し、国は「真実を供述するよう説得するもので、人格などを侮辱する趣旨はなく、違法ではない」と争っています。

原告側の弁護団によりますと、検察の取り調べ映像が民事裁判やネット上で公開されるのは異例だということで、「多くの人に取り調べの実態を知ってもらいたい」としています。