食べログ “評価訴訟” 2審は店側の訴え退ける判決 東京高裁

大手グルメサイト「食べログ」が飲食店の評価の点数を算出するシステムを一方的に変更したことで、売り上げが大幅に減ったとして、都内の焼き肉チェーンの運営会社が、「食べログ」側に賠償を求めた裁判で、2審の東京高等裁判所は、1審とは逆に、店側の訴えを退ける判決を言い渡しました。

東京都内を中心に焼き肉チェーン店を運営する「韓流村」は、飲食店の評価や感想を利用客が書き込む大手グルメサイト「食べログ」について、「チェーン店の評価の点数を一律に下げるようシステムを変更され、サイト経由での来客が減り、売り上げが減少した」と主張して、サイトの運営会社「カカクコム」に損害賠償などを求めました。

1審の東京地方裁判所は、おととし、店側の訴えを一部認め「食べログ」の運営会社に3800万円余りの賠償を命じました。

19日の2審の判決で、東京高等裁判所の木納敏和裁判長は「システムの変更は、消費者の感覚とのずれを正すことや、不正な口コミの影響を取り除くことが目的で合理性がある。結果として評価が下がったとしても、店側への影響は限定的だ」と指摘しました。

そのうえで、「食べログ側は優越的な地位を利用して、店側が不利益になる取り引きを行ったが、不当とまではいえない」として、1審判決とは逆に店側の訴えを退けました。

原告「判決は大変遺憾 強い憤り感じる」上告する意向

逆転敗訴となったことについて、原告の「韓流村」の任和彬代表取締役は、会見で「不当に点数を下げられたほかのチェーン店にとっても残念な結果で、衝撃的だ。システム変更後のおよそ5年間で28店舗のうち、19店舗が赤字が続いて閉店に追い込まれた。判決は大変遺憾で、強い憤りを感じる」と述べ、最高裁判所に上告する意向を示しました。

食べログ運営会社がコメント「当社の主張正当と認められた」

判決について食べログの運営会社「カカクコム」は「食べログのアルゴリズム変更に違法性がないことが確認され、当社の主張が正当だったことが認められたと考えている」などとコメントしています。