被災した七尾市の和ろうそく店 フランス見本市出品 現地で注目

能登半島地震で店舗が倒壊した石川県七尾市の老舗和ろうそく店が、被災を免れた品をフランスで開かれている世界最大規模のインテリアの見本市に出品し、現地で注目を集めています。店の社長は「ろうそくづくりを再開させ、復興のひとつの象徴としたい」と話しています。

パリ近郊では、18日から5日間の日程で世界最大級のインテリアの見本市「メゾン・エ・オブジェ」が開かれていて、会場の一角には、七尾市の「高澤ろうそく」が出品した和ろうそくが展示されています。

創業130年余りのこの店は、建物が国の有形文化財に登録されていますが、今回の地震で軒先が倒壊し、母屋も傾くなど大きな被害が出ました。

店では、見本市への参加を一度は断念しましたが、関係者の支援を受け、社長や社員は七尾にとどまるものの、被災を免れた和ろうそくを出品することができました。

このろうそくは、見本市の注目商品の1つに選ばれていて、バイヤーたちからは「伝統と現代が合わさっていてすばらしい」とか「社長が来られなかったのは残念だが、メールで直接連絡をとってみたい」などと、高い評価を得ていました。

また、「日本の人々は我慢強く、互いに助け合えるのを知っています。災害からの復興を願っています」といった励ましの声も聞かれました。

高澤久社長は、NHKにコメントを寄せ「関わって下さった皆様に感謝を申し上げます。関係する人が力を合わせることは、前へとすすむ力となり、確実に復興へと向かっていくと思います。和ろうそくづくりを再開させ、店を再興することは、能登半島地震の復興のひとつの象徴となることだと考えています」としています。