漁業被害も明らかに ブリ大量死 定置網水揚げ作業できず 石川

地震の影響で、全体の8割以上の漁港で被害が出ている石川県で、漁業の現場での被害も徐々に明らかになってきました。
2週間あまり水揚げ作業ができなかった石川県七尾市の漁港の沖合では定置網にかかって大量のブリが死んでいるのが見つかりました。

映像は七尾市の能登島などでガイドを務める潜水士の鎌村実さんが※えの目漁港の沖合で今月15日に撮影したものです。

定置網の中で大量のブリが動かなくなっていることが確認できます。

地元の漁協によりますと、所属する漁師たちが設置したこの定置網でおよそ1000匹のブリが死んでいたということです。

この網の水揚げは先月31日からの2週間余り地震による停電で保存ができないなどの影響で作業ができず、この間に網にかかったブリが死んでしまったということです。

この定置網の水揚げは清掃を終えて今月16日から水揚げを再開していますが、地震の影響を受けているということです。

鎌村さんは知り合いの漁業者に依頼されて水深およそ30メートルのところで網の清掃を行っていた際に、この映像を撮影しました。

※えの目は魚偏に媛のつくり

鎌村さんは「死んだブリから出た油のようなものが浮いていて、腐敗が進んでいた。大変なことになっていると感じた」と話しています。

石川県 全体の8割以上にあたる58の漁港で被害

石川県は今月15日に、能登半島地震による農林水産業の被害について、15日までにまとめた調査結果を発表し、全体の8割以上にあたる58の漁港で被害が出ていることなどを明らかにしています。

ただ、能登地方では調査が進まず、被害の全体像の把握には時間がかかるということです。