去年 韓国入りした脱北者 前年の3倍に エリート層の人数も増加

韓国政府は、2023年に韓国入りした脱北者が、前の年の3倍にあたる196人だったと発表しました。若い世代が半数を超え、エリート層にあたる人数も増えたとしています。

韓国統一省によりますと、2023年に韓国入りした脱北者は196人で、年間で60人台だった2021年と2022年に比べて、およそ3倍でした。

中国などの第三国で長期間過ごしたあとに韓国入りしたケースが大半で、増加の要因として、経由地の中国でコロナ禍に伴う移動規制が緩和されたことをあげています。

また、半数を超える99人は20代から30代で、統一省の関係者は「北で配給制がなくなって久しく、統制だけが残っている中で20代、30代は、国から恩恵を受けたことがない。体制に感じる信頼感は、それより上の世代と異なる」と指摘しています。

さらに統一省は、エリート層にあたる脱北者の数は、2017年以降で最多となる10人前後だったと明らかにしました。

韓国メディアは北朝鮮のエリート層について、外交官や海外駐在員などを指すとしていて、往来の規制が緩和されて本国への帰国が始まる中で、これを負担に感じた人たちが脱北したのではないかという見方を伝えています。