北朝鮮ミサイル発射で安保理が緊急会合 日米欧とロ中が対立

北朝鮮が今月14日、中距離弾道ミサイルを発射したことを受けて、国連の安全保障理事会では、対応を協議する緊急会合が開かれました。日本や欧米各国などは発射は安保理の決議違反だと非難しましたが、ロシアや中国は朝鮮半島周辺で緊張を高めているのはアメリカだと主張し、双方が対立しました。

北朝鮮は今月14日、弾道ミサイル1発を日本海に向けて発射し、翌日、固体燃料式の中距離弾道ミサイルの発射実験を行ったと発表しました。

これを受けて国連安保理では18日、日本やアメリカなどの要請に基づいて対応を協議する緊急会合が非公開で行われました。

会合を前にアメリカのウッド国連次席大使は記者団に対し「北朝鮮による長年にわたる挑発行為であり重大な懸念事項だ。北朝鮮が決議に違反しているということを安保理は認識しなければならない」と述べました。

一方、中国の張軍国連大使は「北朝鮮に目が向けられているが、ほかの当事者も事態の悪化を回避する責任がある」と述べ、名指しを避けながらもアメリカに対し、北朝鮮との対話を通じて緊張を緩和すべきだと主張しました。

国連の外交筋によりますと、非公開の会合でも、日本や韓国、それに欧米各国が弾道ミサイル技術を使った発射は安保理の決議違反だと非難したほか、ロシアが北朝鮮から供与された弾道ミサイルをウクライナに対して使ったことも安保理決議に違反していると非難する意見が出たということです。

これに対してロシアや中国は、地域の緊張を高めているのはアメリカだと従来の主張を繰り返し、今回も双方が対立しました。