【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(1月19日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる19日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシアの石油ターミナルに無人機攻撃 ウクライナは成果強調

ロシアでは北西部の都市、サンクトペテルブルクの石油ターミナルで無人機による攻撃があり、ウクライナ側はおよそ1250キロも無人機を飛行させて攻撃を行ったと成果を強調し、双方の無人機による攻防が激しくなっています。

ロシア国防省は19日、ウクライナと国境を接しているロシア西部のブリャンスク州でウクライナ軍が朝、無人機による攻撃を行い、ロシア側が撃墜したと発表しました。

一方、地元の州知事は、この攻撃で州内のクリンツィにある石油貯蔵施設で火災が起きたと明らかにしました。

ロシア国防省は、18日も首都モスクワ近郊と北西部レニングラード州でウクライナの無人機を撃墜したと発表しましたが、ロシアの独立系メディアは、この攻撃ではロシア第2の都市サンクトペテルブルクの港の巨大な石油ターミナルで爆発が起きたと伝えています。

独立系メディアは、この地域で無人機による攻撃があったのは初めての可能性があると伝え、ウクライナのカミシン戦略産業相は地元メディアに対し「目標を達成した。無人機はおよそ1250キロも飛行した」と述べ、成果を強調しました。

一方、ロシア側もウクライナ各地でイラン製の無人機やその改良型も使って攻撃を続けているとみられています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は18日「ロシア軍とウクライナ軍の間で技術的な攻防が中心となっている」と指摘し、電子戦など無人機をめぐる攻防が激しくなっていると分析しています。

フランス大統領「時間はロシアの味方ではない」

フランスのマクロン大統領はウクライナのゼレンスキー大統領と電話で会談し、ロシアの軍事侵攻が続くウクライナに対し、揺るぎない支援を長期的に続けていく意向を伝え、緊密に連携していくことを確認しました。

フランス大統領府によりますと、この中で、マクロン大統領は、ロシアによるウクライナ各地への攻撃の激化と民間人に対する無差別な攻撃を非難した上で「時間はロシアの味方ではない」と述べました。

また、今月16日の記者会見で、来月、自らウクライナを訪問して2国間の安全保障協定を締結する考えを表明したことを踏まえ、揺るぎない支援を長期的に続けていく意向を伝え、緊密に連携していくことを確認しました。

一方、ウクライナ大統領府によりますと、電話会談で、ゼレンスキー大統領は、マクロン大統領の訪問に向けた準備を進めるとともに、ウクライナに軍事支援を行うフランスなど欧米各国が協力して追加で最新式の自走式りゅう弾砲「カエサル」の供与を行うと表明したことへの感謝の意を伝えたということです。

ロシア外相「欧米がロシアに配慮した解決策を望んでいない」

ロシアのラブロフ外相は首都モスクワで外国メディアも招いて会見し、ウクライナへの支援を続ける欧米について「ロシアの正当な懸念に配慮した解決策を望んでいない」と述べ不満を示しました。

そして、このような状況の中では、アメリカとの核軍縮を含む戦略的安定の対話は「不可能だ」と述べました。

また、ウクライナへの軍事侵攻が、3月のロシアの大統領選挙に与える影響について、ロシアの人々は団結し、欧米による制裁にも関わらず産業が成長しているとして「よい影響を与えている」と述べました。

一方、ショイグ国防相はモスクワ州にあるミサイルの製造工場を視察しました。

この中でショイグ国防相は、射程を伸ばした新しいミサイルの生産を強化するよう指示し「そのようなミサイルを十分に保有することが重要だ」と強調しました。

ロシアはウクライナ侵攻の長期化を見据え、ことしの国家予算のおよそ3割を国防費にあてるなどして、兵器の生産能力を強化しています。

フランス国防省 最新鋭の自走式りゅう弾砲の供与発表

フランス国防省はロシアの軍事侵攻が続くウクライナに対し、最新鋭の自走式りゅう弾砲「カエサル」を6門、今後、数週間のうちに追加で供与すると発表しました。

また、発表によりますと、パリで、ウクライナに軍事支援を行う欧米各国が会合を開き、ウクライナへのりゅう弾砲の供与を目的とした新たな枠組みを結成したということです。

そして、今後、この枠組みに参加する各国が協力し、さらにウクライナに供与するため、年内に72門を生産することが可能になるとしています。

フランスのルコルニュ国防相は会合で「欧米の同盟国の防衛産業の生産体制を、ウクライナへの支援にさらに切り替えていく必要がある」と訴えました。

また、オンラインで参加したウクライナのウメロフ国防相は「私たちは、技術的な優位性を高めるとともに、弾薬の生産規模を拡大することで、砲撃能力を向上させる努力を続けなければならない」と述べました。