株価3万5000円台回復の先週 海外投資家の買い越しは9000億円余

日経平均株価がバブル期の1990年以来となる3万5000円台を回復した先週、海外投資家が9000億円余りの買い越しとなり、去年6月以来の大きさとなりました。

東京証券取引所のまとめによりますと、今月9日から12日までに東京と名古屋の証券取引所で海外の投資家が株式を買った額は売った額を9557億円上回りました。

買い越しの規模は去年6月の第1週以来の大きさとなります。

先週は、アメリカで半導体関連などの株価が大きく上昇した流れを受けて関連する銘柄が値上がりしたほか、外国為替市場で円安が進み、輸出関連の銘柄に買い注文が広がり、日経平均株価の4営業日の上昇幅は2100円を超えていました。

一方、国内の個人投資家は、1兆695億円の大幅な売り越しとなっていて、売り越し額が1兆円を上回るのは、2013年12月の第3週以来です。

市場関係者は「相場が上昇する局面では個人投資家は売りに回る傾向があり、海外勢が日本株を買いに入って株価が大きく上昇したことでいったん利益を確定させようという動きが強まった。今月からスタートした新NISAで積み立て資金の流入があったとみられるが、株価の急上昇による売り圧力が上回ったのではないか」と話しています。

全銀協会長 “株価の上昇傾向は日本企業の業績拡大への期待”

日経平均株価がバブル期以来の高値水準を更新するなど株価が上昇傾向にあることについて、全国銀行協会の加藤勝彦会長は会見で、日本企業の業績拡大への期待が背景にあると評価しました。

日経平均株価はことしに入り一時3万6000円台に回復し、バブル期の1990年2月以来の高値水準を更新しました。

こうした株価の上昇傾向について、全国銀行協会の加藤会長は18日の記者会見で「堅調な企業収益や円安などがあげられると思うが、私個人としては日本企業の収益見通しの期待のあらわれではないかと評価している」と述べ、株価に割高感はなく、今後も上昇する余地があるという見方を示しました。

そのうえで「日本企業の収益は記録的な高水準で、賃上げを通じて家計に利益が還元されることで個人消費の喚起も期待される。短期的な株価の変動に一喜一憂せず、中長期的な目線でしっかりと経営改革を進め、投資家の期待に応えることが重要だ」と述べました。