イラン 周辺国の武装組織拠点を相次ぎ攻撃 各国で反発広がる

イランが周辺のイラクやパキスタンなどに相次いで越境攻撃を行ったことを受け、各国では反発が広がっていて、地域情勢がいっそう不安定化することが懸念されています。

イラン政府は、17日までに国内で活動する武装組織などによるこれまでの攻撃やテロへの報復だとして、イラクとシリア、それにパキスタンにあるそれぞれの拠点をミサイルや無人機で攻撃したと発表しました。

これに対し、パキスタン外務省は声明を出し「主権侵害は国際法違反で全く容認できず正当化できない」などと強く非難した上でイランに駐在するパキスタン大使を呼び戻すことや、両国の間で進められていた高官レベルの訪問を中止することを決定したと明らかにしました。

また、イラクの国営通信によりますと、イラク外務省は国連の安全保障理事会に対し「この攻撃はイラクの主権に対する目に余る侵害だ」と非難する書簡を提出したということです。

さらに、アラブの国と地域でつくるアラブ連盟も声明で「この攻撃は地域で続いている戦闘を拡大させるリスクを高めるものだ」と非難するなど、イランによる周辺国への相次ぐ越境攻撃を受けて地域情勢がいっそう不安定化することが懸念されています。