イスラエル 防衛費約2兆円増額 軍事作戦長期化辞さない姿勢

イスラム組織ハマスとの戦闘を続けているイスラエル政府は、ことしの防衛費をおよそ2兆円増額し、軍事作戦のさらなる長期化も辞さない姿勢を強調しました。一方、イスラエルとハマスの仲介にあたっているカタールの首相は紛争により、中東地域全体の緊張が高まっているとしてガザ地区での停戦が必要だと訴えました。

ガザ地区ではイスラエル軍による攻撃が続いていて、ガザ地区の保健当局は16日、イスラエル軍の攻撃によって過去24時間で158人が死亡し、これまでの死者は2万4285人に上ると発表しました。

南部ハンユニスでは、集まった市民らが多数の遺体を前に祈りをささげたり、埋葬するために墓を掘ったりしていました。

一方のイスラエル政府は15日、予備役の兵士の人件費など防衛費をおよそ2兆円増額したことしの予算の修正案を閣議で承認しました。

イスラエルのネタニヤフ首相は「戦いに勝利するまで手を緩めることはない」と声明を出して、軍事作戦のさらなる長期化も辞さない姿勢を改めて強調しました。

イスラエルとハマスの仲介にあたっているカタールのムハンマド首相兼外相は16日、スイスで開かれている世界経済フォーラムの年次総会、通称「ダボス会議」の催しに参加し、レバノンや紅海など地域全体の緊張が高まっていることに懸念を示しました。

そのうえで、ムハンマド首相兼外相は「この紛争が収まれば、おのずとほかの紛争も収まる」と述べ、ガザ地区での停戦の必要性を訴えました。