中国の人口 推計14億967万人 2年連続の減少で減少幅は拡大

中国政府は去年末の時点の中国本土の人口が推計で14億967万人となり、前の年に比べて208万人減ったと発表しました。去年の発表に続き、2年連続の減少となり、減少幅は拡大しました。

中国国家統計局は17日、中国本土の人口が、去年末の時点の推計で14億967万人となり、前の年と比べて208万人減ったと発表しました。

中国の人口は61年ぶりに減少に転じた去年の発表に続き、2年連続の減少となり、減少幅は拡大しました。

また、去年1年間に生まれた子どもの数は推計で902万人で、前の年より54万人減り、7年連続の減少となっていて、人口減少は少子化の影響が大きいとみられます。

一方、65歳以上の高齢者の数は前の年より698万人増えて2億1676万人で、人口の15.4%を占めています。

中国では急速な少子高齢化に伴う労働人口の減少などが社会問題となる中、長年続いた「一人っ子政策」が2016年に廃止され、3年前には、子どもは3人までもうけることが認められています。

また、一部の省や都市では第2子や第3子に補助金を出したり、不妊治療の一部に医療保険が適用できるようにするなど、さまざまな少子化対策がとられています。

さらに、大企業を中心に、子どもが生まれた家庭に支援金を支給したり、幼稚園などの費用を負担したりする企業も出てきています。

しかし、教育費や生活費の上昇のほか、価値観の変化などから結婚や出産を望まない人も増えていて、これまでのところ、少子化対策の効果は限定的とみられ、人口減少による経済成長への影響が懸念されています。

習主席 少子高齢化 対応に力を入れる姿勢示す

中国で急速な少子高齢化に伴う労働人口の減少などが社会問題になる中、習近平国家主席は対応に力を入れる姿勢をたびたび示しています。

去年10月には、女性でつくる全国組織「中華全国婦女連合会」の幹部を集めた会合で、「若者らに対し、恋愛、結婚や出産、家族に対する考え方への指導を強化するとともに、出産の支援政策の改善を推進し、高齢化にも積極的に対応する」などと述べています。