ウクライナ支援に影響か 米大統領選の行方にダボスで懸念の声

スイスで開催されている通称「ダボス会議」でウクライナへの支援が議論される中、ことし秋のアメリカ大統領選挙の結果が影響を与えかねないとして現地では先行きを懸念する声が聞かれました。

世界経済フォーラムの年次総会、通称「ダボス会議」の会場近くに設けられたウクライナのパビリオンでは16日「ウクライナの敗北」というテーマで議論が行われました。

このなかで歴史家のニーアル・ファーガソン氏は「ロシアの勝利でどんな悲惨な結果がもたらされるのかはっきりさせておかないと、アメリカ国民は、なぜ自分たちが関わるのか理解しようとしなくなるだろう」と述べ、アメリカ政府は国民にウクライナ支援を行う重要性をきちんと説明すべきだと指摘しました。

また、ウクライナの議員、レシャ・ワシレンコ氏はことし秋のアメリカ大統領選挙も踏まえ「世界中で選挙があるがどんな政治勢力が勝ってもウクライナへの支援は重要議題だ」と訴えました。

参加者からは、現在のアメリカのウクライナ支援に不満を表明しているトランプ前大統領が野党・共和党の候補者選びで優位な状況にあることから先行きを懸念する声が聞かれました。

パビリオンを運営するウクライナの人道支援団体の代表、ヤロスラワ・ジョンソン氏はNHKの取材に対し「もしアメリカ大統領選挙でトランプ氏が再選すれば、停戦させようとするだろう。ウクライナは年々状況が厳しくなることに備えなければいけない」と話していました。