プーチン大統領 北朝鮮の外相と会談 北朝鮮訪問も調整か

ロシアのプーチン大統領はモスクワを訪れている北朝鮮のチェ・ソニ外相と会談しました。プーチン大統領の北朝鮮訪問に向けた調整も行われているとみられていて、ロシアと北朝鮮はともに対立するアメリカなどを念頭に協力を拡大しています。

ロシアのプーチン大統領は16日、モスクワを訪れている北朝鮮のチェ・ソニ外相とクレムリンで会談し、ロシア側からはラブロフ外相やウシャコフ大統領補佐官が同席しました。

これに先立ち、チェ外相はラブロフ外相と会談し、両外相は軍事や経済分野を念頭に協力を進めていく考えを示していました。

ロシアの国営テレビはプーチン大統領が笑顔でチェ外相を出迎える様子を伝え、ロシア大統領府はチェ外相らが今回の外相会談の結果をプーチン大統領に報告したと発表しました。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は17日、「北朝鮮は非常に重要なパートナーであり、センシティブなものも含むあらゆる分野での関係発展を目指している」と述べ、軍事協力を含めて協議したことを示唆しました。

ペスコフ報道官は前日の16日には、「プーチン大統領は北朝鮮へ招待されており、適切な時期に応じることになるだろう」と述べていて、プーチン大統領の北朝鮮訪問に向けた調整も行われているものとみられます。

ロシアはウクライナへの侵攻で、北朝鮮から供与された弾道ミサイルを使っているなどとも指摘され、両国はともに対立するアメリカなどを念頭に協力を拡大しています。

チェ外相 モスクワのホテル出発する様子も

北朝鮮のチェ・ソニ外相は14日にロシアの首都モスクワに到着し、16日にはプーチン大統領やラブロフ外相と会談して、両国の連携強化を強調しました。

チェ外相は17日の昼ごろ、ほかの代表団のメンバーとともにモスクワ市内のホテルを出発する様子が確認されこのあと、帰国の途につくものとみられます。

また、ホテルのロビーではロシア国防省のロゴが入った複数の青いバッグが運ばれる様子も確認され、ロシア側から北朝鮮の代表団に渡された可能性もあるとみられます。

林官房長官「引き続き情報収集や分析を」

林官房長官は午前の記者会見で、「ロ朝関係を含め、北朝鮮をめぐる情勢については平素から重大な関心を持って情報収集や分析に努めている。引き続き、関連情報の収集や分析を行うとともに、関連する国連の安保理決議の完全な履行に向けて、アメリカや韓国をはじめとする国際社会と緊密に連携していく考えだ」と述べました。