フィリピン大統領 台湾総統選当選の頼氏に祝意 中国は抗議

フィリピンのマルコス大統領は台湾総統選挙で当選した頼清徳氏に祝意を示した上で「相互の利益を強化して平和を促進したい」と表明しました。これに対し中国外務省は北京に駐在するフィリピンの大使を呼び出して抗議するなど強く反発しています。

フィリピンのマルコス大統領は15日夜、旧ツイッターXへの投稿で今月13日に投票が行われた台湾の総統選挙で当選した与党・民進党の頼清徳氏に「フィリピン国民を代表してお祝いを申し上げる」と祝意を示しました。

さらに「今後、緊密な協力関係を築き、相互の利益を強化して平和を促進し、互いの市民の繁栄を確かなものとすることを期待している」と表明しました。

これに対し頼氏も投稿で謝意を示した上で「この地域の民主主義と平和、そして繁栄を擁護しながら、互いの経済や人的交流を強化することを楽しみにしている」と応じました。

これについて、中国外務省の毛寧報道官は16日の記者会見で「中国の内政に乱暴に干渉するもので強烈な不満を表明するとともに断固反対する。台湾問題で火遊びをしないよう警告する」と述べ、北京に駐在するフィリピンの大使を呼び出して抗議したことを明らかにしました。

フィリピンは南シナ海の領有権をめぐってこのところ中国との対立を深めていて、フィリピン外務省は16日「『1つの中国』の政策を再確認する」と表明するなどこれ以上、関係が悪化しないよう事態の鎮静化に努めています。