能登半島地震 高齢者施設の避難 受け入れ先 人手不足で疲弊も

被災した高齢者施設の入所者に別の施設に避難してもらう動きが本格化するなか、受け入れ先の施設の中には人手不足で現場の職員が疲弊しているところもあります。

石川県白山市の特別養護老人ホーム「キラッと篤寿苑」は、今月9日以降、輪島市にある4つの高齢者施設から、介護が必要な高齢者13人を受け入れています。

避難してきた高齢者は、当初、脱水などの症状があったものの徐々に回復しているということです。

避難してきた102歳の女性は「ずっとガタガタ震えていて怖かったです。ここでは3食、食べられるし、みんなよくしてくれてもったいない喜びを感じています」と話していました。

一方、施設側は受け入れによって入所者の部屋やベッドが足りなくなったため、部屋にパーティションを立てて2人で使ったり、共有スペースに簡易ベッドを置いたりして対応しているということです。

さらに、入所者に対する職員の数も不足しているのに加え、地震によって避難してきた高齢者の介護に関するデータが消えてしまったため、どういった介護が必要なのかがよく分からず、手探りの対応を余儀なくされ、職員たちは疲弊しているということです。

特別養護老人ホームの神杉和子施設長は「職員がもともと足りない状態で対応していたので限界が近づいている。被災者の受け入れ施設には全国から応援に来てもらいたい」と話していました。