岸田首相 2次避難所の移動 支援など丁寧に説明し促すよう指示

能登半島地震を受けた対応をめぐり、岸田総理大臣は政府の対策本部で、被災地外の2次避難所でも同様に生活支援が受けられることなどを丁寧に説明し、移動を促すよう指示しました。また今月中にも被災者の生活再建などに向けた支援パッケージをまとめる方針を示しました。

この中で岸田総理大臣は、被災地外への2次避難について「2次避難先での生活がわからず不安を覚える人もいる。被災地の避難所に避難されている方と同様に、衣食住の提供や被災者生活再建支援金の支給など、生活支援が適切に行えるよう徹底するとともに、自治体とも連携し、こうした情報を丁寧に伝えてほしい」と指示しました。

また、仕事や学校、保育の事情などで避難をためらう人もいるとして、被災地の保育所に在籍したままでも2次避難先で保育サービスを受けられることや、雇用を守る取り組みを進めていることなど、十分な説明を尽くすよう求めました。

さらに、被災地の声を反映した、生活となりわいの再建に向けた支援パッケージを今月中にもまとめる方針を示した上で、近く関係閣僚と被災自治体の長が意見を交わす場を設ける意向を明らかにしました。

森屋官房副長官「切れ目ない対応が欠かせない」

森屋官房副長官は記者会見で「復旧・復興に至るまで切れ目ない対応が欠かせない。現時点での被害状況や半島という地理的制約を踏まえれば、熊本地震を超える財政需要も想定しておかなければならず、新年度予算案の予備費を5000億円増額し、1兆円とする方向で検討を進めている。きょうにも閣議決定し、国会で1日も早い成立を目指したい」と述べました。

斉藤国土交通相「インフラやライフラインの復旧 道半ば」

能登半島地震から2週間あまりとなり、道路や水道などの復旧が課題となっていることについて斉藤国土交通大臣は「インフラやライフラインの復旧は道半ばで被災地に寄り添った災害対応に全力で取り組んでいく」と話しました。

能登半島地震から2週間あまりが経過したこれまでの対応について、16日の閣議後の記者会見で斉藤国土交通大臣は「総力を挙げて対応しているが、交通条件が厳しい半島地域で、道路などのインフラや水道などのライフラインの復旧も道半ばだ。高齢者をはじめ避難者の生活環境の改善も急務だが、必要な支援物資や資材も不足している」と述べました。

また、具体的な課題については
▽陸海空の輸送ルートの確保と孤立地域の解消、
▽上下水道の早期復旧、
▽二次避難を支援するホテルや輸送手段の確保、
▽公営住宅の空室や応急仮設住宅の提供、
▽支援物資拠点での荷捌きや物資管理の効率化、避難所まで物資を届けきる「ラストワンマイル」の円滑な配送などを挙げ、関係機関と連携し対応すると話しました。

斉藤国土交通大臣は17日に能登半島を視察するとした上で「国土交通省の現場力を最大限発揮し、被災地に寄り添った災害対応に全力で取り組んでいく」と述べました。

松本総務相「全国から1000人近い応援職員 現地に」

松本総務大臣は記者会見で「全国から1000人近い応援職員に現地に入ってもらっている。現場からは、2次避難の支援や、り災証明書を発行する業務への応援が欲しいというニーズがあるので、追加で必要な派遣調整を行っている」と述べました。

また、政府が今月中にもまとめる支援パッケージについて「応援職員の支援強化や、通信の全面的な復旧につながるインフラ支援、それに、ネット上の偽情報や誤情報への対策や特別行政相談の実施などを盛り込んでいきたい。現場のニーズを丁寧に聞いて、きめ細かい取り組みの検討を進めていく」と述べました。

国民 玉木代表「2次避難しても戻れると示す必要」

国民民主党の玉木代表は記者会見で「被災者が2次避難をしても、きちんと家を再建して戻れるということを国や県は明確に示す必要がある。現在、最大で300万円となっている被災者生活再建支援金を倍増させる法案を通常国会に提出し、速やかな成立を政府に求めたい」と述べました。