能登半島地震 氷見 避難所の医師 体調変化に注意呼びかけ

震度5強の揺れを観測した富山県氷見市では、今もおよそ40人が避難生活を送っています。災害関連死を防ごうと、ほぼ毎日、市内の避難所を訪問して健康観察を続ける医師は、地震から2週間がたって避難生活が長引く中、ストレスによる体調の変化に注意を呼びかけています。

氷見市民病院の胸部心臓血管外科長、小畑貴司さんは、今月4日からほぼ毎日、ボランティアとして氷見市内の避難所をまわり、避難者の健康状態を確認しています。

避難生活の長期化で、エコノミークラス症候群のリスクが高まるとされていますが、小畑さんによりますと、避難者の中には、エコノミークラス症候群のことを知らないという人も一定数いるということで、今月13日には、訪れた避難所でチェックリストをもとに症状を確認したり、血流を改善するストッキングの着用を避難者に勧めたりしていました。

また、地震から2週間がたち、避難者の中には、先行きの見えない不安や孤独感などからくるストレスを訴える人も徐々に増えているということで、小畑さんは、今後、避難者のメンタル面のケアも必要になってくると指摘します。

小畑さんは「ストレスによって、循環器の病気や心筋梗塞、それに大動脈解離などにつながっていくのが怖いです。これからいちばん大事なことは避難者の心のケアで、孤独にさせない取り組みが求められると思います」と話していました。