米大統領選 共和党候補者選び初戦 トランプ氏大差で勝利

ことし秋のアメリカ大統領選挙に向けた野党・共和党の候補者選びの初戦、中西部アイオワ州の党員集会で、トランプ前大統領がほかの候補者に大差をつけて勝利しました。

ことし11月のアメリカ大統領選挙に向けた候補者選びの幕開けとなる、野党・共和党のアイオワ州の党員集会は、記録的な寒波による厳しい寒さの中、現地時間の15日夜、行われました。

集計率99%の時点で、
▼トランプ前大統領が51.0%、
▼デサンティス・フロリダ州知事が21.2%、
▼ヘイリー元国連大使が19.1%となっていて
トランプ氏がほかの候補者に大差をつけて勝利しました。

トランプ氏は支持者らを前に演説し「今夜は最初の特別な夜だ。本当の特別な夜は11月、この国を取り戻し、この国を再び偉大な国にするときだ」と述べ、共和党の候補者指名を獲得して、11月の大統領選挙で勝利することに強い意欲を示しました。

候補者選びの初戦となるアイオワ州の結果はその後の候補者選びの行方に大きな影響を与えるとされます。

トランプ氏は、4つの刑事事件で起訴されているほか、立候補資格をめぐっても各地で訴えが起こされており、選挙戦と裁判が並行して行われる異例の展開となっていますが、事前の世論調査どおりの勢いを示した形です。

共和党の候補者選びの第2戦となる東部ニューハンプシャー州の予備選挙は今月23日に行われることになっています。

世論調査によりますとニューハンプシャー州でトランプ氏は、ヘイリー氏から徐々に差を縮められているものの依然として優位な状況で、初戦の勝利を追い風にどこまで強さを示せるのか注目されます。

「ありがとう、アイオワ」トランプ前大統領 SNSに

トランプ前大統領はSNSに「ありがとう、アイオワ。みんな、愛している!」と書き込みました。

バイデン大統領「『過激な共和党員』と対決」SNSに

トランプ前大統領の勝利が確実になったことを受けて、バイデン大統領は15日、SNSに「現時点で、彼はあちら側の明らかな先頭走者だ。しかし、これだけは言っておこう。今回の大統領選挙は、私たちと『過激な共和党員』が対決するという構図だ」と投稿しました。

デサンティス・フロリダ州知事「われわれこそ希望を象徴」

フロリダ州のデサンティス知事は「人々はこの国の未来に希望を持ちたい。われわれこそが、その希望を象徴している。この国の衰退を逆転させ、自由と健全さを取り戻すことができる。私はこの国のために仕事をする。あなたたちを落胆させないことを約束する」と述べました。

ヘイリー元国連大使「今夜 共和党の候補者選びは2人に絞られる」

ヘイリー元国連大使は「次のニューハンプシャーやサウスカロライナなどでの私たちの動きをみてほしい。今夜、共和党の候補者選びは2人に絞られると断言できる」と述べました。

そして「トランプもバイデンも国の未来に対する展望がない。アメリカにはもっといい人がいるはずだ。私たちの選挙戦はトランプとバイデンの悪夢をとめる最後の希望だ」と述べました。

起業家 ラマスワミ氏 選挙戦から撤退表明

アメリカ大統領選挙に向けて野党・共和党から立候補を表明していた起業家のラマスワミ氏は15日、中西部アイオワ州の党員集会の結果を受けて選挙戦から撤退すると表明しました。

インド系アメリカ人で、バイオテクノロジー企業を設立するなどして富を築いたラマスワミ氏は、トランプ前大統領が掲げる「アメリカ第一主義」をさらに推進することなどを訴えました。

去年夏ごろには党内の支持率で、一時、3番手に浮上するなど注目を集めましたが、その後、支持が伸び悩み、アイオワ州の党員集会では4位になる見通しだとアメリカのメディアは伝えています。

トランプ氏 支持者「彼は私たちを再び豊かにしてくれる」

中西部アイオワ州の党員集会で、トランプ前大統領が勝利したことを受けて、支持者の女性は「結果に満足している。トランプ氏が大統領のときは、ガソリン価格は下がり、給料は上がって暮らしが豊かになった。彼は私たちを再び豊かにしてくれると信じている。次のニューハンプシャー州の予備選挙では、人々がトランプ氏を待ち望んでいたことが分かるだろう」と述べました。

別の男性は「私の地区では50%以上がトランプ氏に投票した。今夜は最終的な勝利に向けた大きな一歩だ。アメリカは、インフレや国境の問題、薬物や犯罪など、多くの問題を抱えている。トランプ氏はこうした問題を解決し、この国を良くするために必要な措置をとってきた。私はきのう、トランプ氏と一緒にいたが彼の鋭い知性、集中力、行動力に感銘を受けた。彼こそが答えを持っている」と語りました。