【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(1月16日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる16日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ゼレンスキー大統領 和平案の首脳級協議 スイスで開催へ準備

ウクライナのゼレンスキー大統領は15日、ウクライナが提唱する和平案について、欧米や新興国などが話し合う首脳級の協議をスイスで開催することを決めたと発表し、今後、準備を進めていく考えを示しました。

ウクライナ大統領府によりますと、ゼレンスキー大統領は15日、訪問先のスイスの首都ベルンで、スイスのアムヘルト大統領と会談したあと、共同記者会見に臨みました。

この中で、ゼレンスキー大統領は、ウクライナが提唱する和平案について、欧米や新興国などが話し合う協議に関して「首脳級の協議をスイスで開くことで合意できた」と発表し、今後、準備を進めていく考えを示しました。

また、スイスのアムヘルト大統領も「首脳級の協議を開催する準備はできており、担当する責任者も任命した」と述べ、協力する姿勢を示しました。

ただ、ウクライナが提唱する和平案をめぐっては、14日にスイスのダボスで開かれた高官級の協議で、ロシアとの関係も重視する国々の強い反対により、議論の成果をまとめた議長声明の発表が見送られ、多くの関係国の同意を得ながら和平への道筋を探る難しさが浮き彫りになりました。

外交筋によりますと、各国がどこまで足並みをそろえられるかなど、課題は多く、実際に首脳級の協議を開くまでには紆余曲折(うよきょくせつ)も予想されます。

ロシア・北朝鮮 外相会談 連携強化と大統領訪朝を協議か

ロシアのラブロフ外相は16日、モスクワを訪れている北朝鮮のチェ・ソニ外相と会談しました。

会談の冒頭、ラブロフ外相は「実務的な分野での協力拡大などについて議論したい」と述べ、北朝鮮とのいっそうの連携強化を強調しました。

また、ウクライナへの軍事侵攻をめぐって、「ロシアを支持する北朝鮮の立場に感謝する」と謝意を示しました。

これに対して、チェ外相は去年9月に行われた首脳会談を踏まえ、「歴史的な会談で成し遂げた合意を徹底して履行するため、あらゆる努力を尽くす準備ができている」と述べ、軍事や経済分野を念頭に協力を進めていく考えを示しました。

チェ外相はこのあと、プーチン大統領と会談する見通しです。

また、ロシア大統領府のペスコフ報道官は16日、「プーチン大統領は北朝鮮へ招待されており、適切な時期に応じることになるだろう」と述べ、一連の会談でプーチン大統領の北朝鮮訪問に向けた調整も行われているものとみられます。

ロシアはウクライナへの侵攻で、北朝鮮から供与された弾道ミサイルを使っているなどとも指摘され、両国は、ともに対立するアメリカなどを念頭に協力を拡大しています。

「ロシア軍 高額の報酬提示し兵力増強か」ウクライナ国防省

ウクライナ国防省情報総局のスキビツキー副局長は、15日に掲載された地元メディアとのインタビューで、ロシア軍が死亡した兵士を上回る1日当たりおよそ1000人を新たに契約軍人などとして集めているという見方を示しました。

そのうえで、ロシア軍は契約軍人に対して、ロシアの平均月収の数倍に上る22万から25万ルーブル、日本円にしておよそ37万円から42万円という高額の報酬を提示しているとしてロシア側が兵力の増強をはかっていると批判しました。

一方、イギリス国防省は15日、去年1年間で契約軍人を中心に50万人以上が新たに兵役に就いたとするロシア側の主張について、「極めて誇張されているとみられる」としたうえで、「戦争を続けるためにロシア軍は国内の貧困にあえぐ農村地域から採用している可能性が高い」と指摘しています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、世界の政財界のリーダーが集まる通称「ダボス会議」で演説することになっていて、ロシアが兵力を増強し続ける中で、改めて国際社会に支援を呼びかけるものとみられます。

ロシア ラブロフ外相 北朝鮮外相と会談へ

ロシアのラブロフ外相は16日、モスクワを訪問している北朝鮮のチェ・ソニ外相と会談する予定です。ロシアがウクライナに対する攻撃に北朝鮮から供与された弾道ミサイルを使っているとして欧米などが警戒する中、双方の外相が軍事協力について言及するかどうかが焦点となっています。

一方、ラブロフ外相は15日、イランのアブドラヒアン外相とも電話で会談し、アメリカとイギリスがイエメンの反政府勢力フーシ派の拠点を攻撃したことをそろって非難したほか、ショイグ国防相もイランのアシュティアニ国防軍需相と電話で会談し、軍事技術協力について協議したとしています。

ロシアはイランからも無人機に加え弾道ミサイルを獲得しようとしていると指摘されており、北朝鮮とともにイランとの連携も一段と強めているものと見られます。

ウクライナ空軍 発表“ロシア軍の警戒管制機と軍用機を撃墜”

ウクライナ空軍は15日、南部のアゾフ海上空で、ロシア軍のA50早期警戒管制機と、軍用機イリューシン22を撃墜したと発表しました。

A50は空域での偵察能力をもつほか、イリューシン22は司令部機能をもつ軍用機で、いずれも作戦上重要な役割を果たしているとされているだけに、ロシアにとっては打撃となる可能性もあります。