杉田水脈議員 人権侵犯の認定 “説明の機会なく遺憾で理不尽”

自民党の杉田水脈衆議院議員は、15日、山口市で行われた新年の記者会見で、過去のブログなどでの投稿が去年、人権侵犯と認定されたことについて、自身の言い分を説明する機会が与えられず、遺憾で理不尽だと主張しました。

自民党の杉田水脈衆議院議員は、平成28年2月、みずからのブログやSNSに国連の女性差別撤廃委員会に参加したときのことについて「チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場」とか「存在だけで日本国の恥さらし」などと投稿し、去年、札幌法務局と大阪法務局からそれぞれ人権侵犯と認定されました。

認定後、初めて記者会見に臨んだ杉田氏は、異議の申し立てはしないとした一方「私がどういうつもりでブログを書いたかなどの事情聴取が一切無く、その機会が設けられなかったことは誠に遺憾で、少し理不尽だ」と主張しました。

そして、杉田氏は投稿について「当時、委員会で大勢の活動家に囲まれ罵声を浴びせられた直後で、私がそのような感想を抱いたことはしかたがなかった。アイヌの方々を侮辱するつもりも差別するつもりも一切なかった」と説明しました。

杉田氏は一連の投稿は削除し、国会の場で謝罪済みだとした一方、自身の投稿で傷ついた人がいるかどうかは「わからない」とし、「もしもあのブログを読んでどなたも傷ついていないのであれば、謝罪をする必要はないと思っている」と述べました。

また、平成22年にアイヌ政策に関する支援事業で公金の不適切な執行があった関係団体に支援が続いていることについて、杉田氏は去年11月、SNSで「このようなことをした団体が解散もせず、いまだに補助金を受給できていることが不思議です」と投稿していました。

これについて、記者団から「裏金を作った自民党が解散もせず、今後も政党交付金を受け取ることはおかしいと思わないのか」と問われたのに対し、杉田氏は「アイヌの問題と自民党の問題はあまりにもかけ離れていて、一緒に論じることはできない。ダブルスタンダードと言っていただいて結構だ」と述べました。

このほか、杉田氏は安倍派に所属していることから、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる事件で、派閥からキックバックを受けていたかなどと問われたのに対し「派閥が刑事告発を受けていて、今の時点では回答は差し控えたい」と述べました。

その上で、東京地検特捜部から任意で事情を聴かれたのかと問われたのに対し「否定も肯定もしない。しかるべき時にはしっかりと説明させていただけるのではないかと思っている」と述べました。