イスラエル軍 ガザ地区での成果アピール WHO“医療は危機的”

イスラエル軍は、イスラム組織ハマスに対するガザ地区での軍事作戦について、これまでにハマスの戦闘員およそ9000人を殺害したなどと成果をアピールしました。
一方で、住民の犠牲者の増加に歯止めがかからない中、WHO=世界保健機関は「医療システムが破壊され、十分な治療を受けられず命を落とす患者がいる」として、危機的な医療の現状を訴えています。

イスラエル軍は戦闘の開始から100日となった14日、ガザ地区でのこれまでの軍事作戦でハマスの指揮官70人余り、戦闘員およそ9000人を殺害したと発表するなど成果をアピールしています。

ガザ地区への攻撃は15日も続いていて、複数の地元メディアはイスラエル軍の攻撃で南部ハンユニスで少なくとも33人が死亡したなどと伝えています。

一方、ハマスは14日、ガザ地区で拘束されている人質3人の姿を映したとみられる映像を新たに公開しました。

いつ撮影されたものかは明らかにしていませんが、ハマスは声明で「人質の多くは最近死亡した可能性が高く、残りの人質も差し迫った危険にさらされている」と主張しました。

そして、イスラエル軍の軍事作戦が続く間は、人質の解放に関する交渉に応じない姿勢を改めて強調しました。

戦闘の開始から100日にあわせ、WHO=世界保健機関のテドロス事務局長はSNSで声明を発表し、「医療に関する300を超える攻撃などで、ガザ地区の病院の大半が活動を停止している。まだ機能している15の施設では、限られた医療しか提供できていない」と指摘しました。

そのうえで、「医療システムが破壊されたために、本来、避けられたはずの切断手術を余儀なくされたり、十分な治療を受けられず命を落としたりする患者がいる」と述べ、危機的な医療の現状を訴えるとともに、停戦の必要性を改めて強調しました。