富山 氷見 断水で休業続いていた温泉旅館が営業再開

能登半島地震で震度5強を観測した富山県氷見市の温泉旅館では、断水や施設の損傷で休業が続いていましたが、施設の安全確認が終わり15日から営業を再開しました。

氷見市の海沿いにある温泉旅館では地震の影響で断水が続き、今月3日から休業を余儀なくされていました。

この旅館では13日、断水が解消したことから、洗えずにたまっていた食器などを片づけるとともに、施設の安全確認を終えて15日から営業を再開しました。

15日は3組の宿泊客を予定していて、来客前に行われたミーティングでは設備の故障などが新たに判明した場合の対応を共有し、午後3時前に最初の客が訪れると温かく出迎えました。

毎年この時期に宿泊しているという岐阜県の30代の男性は「施設が大丈夫なら訪れようと思い、お風呂からの海の眺めを楽しみに来ました。ひとごとではないと思うので自分にできることはしていきたい」と話していました。

旅館の総支配人の長田卓也さんは「休業から13日しかたっていないのに長く感じたが、きょうお客様とお話しして少し日常に戻ったと思いました」と話していました。

この旅館は地震に伴う予約の取り消しで大きな打撃を受けている一方、SNSなどを通じて多くの応援メッセージが届いているということで、長田さんは「当館のファンがたくさんいるということを実感したので、頑張っていかなくてはいけないなと思いました」と話していました。

氷見市観光協会加盟 宿泊施設の再開状況

氷見市観光協会のまとめによりますと、加盟している29の宿泊施設のうち15日時点で営業中は13施設、休業中は15施設、改装休業中が1施設となっています。

各施設では、断水が解消し準備が整い次第、営業を再開することにしていますが、壁や屋根の破損など建物被害のあった5施設がいつ再開できるかは未定だということです。

施設ごとの詳しい状況は氷見市観光協会のホームページで確認できます。

富山県内の宿泊施設 被害額は1億5000万円超

地震の影響で富山県内の宿泊施設では宿泊や宴会のキャンセルが相次いでいます。

「富山県ホテル・旅館生活衛生同業組合」は県内およそ100の宿泊施設に地震の影響を聞いていて、今月12日までに44の施設から回答がありました。

それによりますとおよそ40の施設で屋根や壁が壊れるなどの被害があったということです。

また、宿泊予約がのべ9850人分、宴会や日帰りのプランがのべ1300人分、少なくともあわせて1万1150人分がキャンセルになったということで、被害額は1億5000万円を超えるということです。

こうした中、ホテルや旅館では、国の制度を活用して被災した石川県や富山県内にいるおよそ1500人を、あわせて52の施設で無償で受け入れる取り組みを進めているということです。