米政府元高官らが台湾訪問 民進党 頼清徳氏などと会談

アメリカ政府の元高官らは15日に台北で、台湾総統選挙で当選した与党 民進党の頼清徳氏などと会談しました。

会談したのはアメリカ側の代表団を率いている、共和党のブッシュ政権で安全保障政策担当の大統領補佐官を務めたハドリー氏と、民主党のオバマ政権で国務副長官を務めたスタインバーグ氏です。

台湾側からは台湾当局の駐米代表を務め、副総統候補として頼氏とコンビを組んで当選した蕭美琴氏も同席しました。

会談で頼氏は「アメリカは選挙のあとすぐに祝意を示すとともに、超党派の重鎮の代表を台湾に派遣して私と美琴を祝ってくれた。台湾の民主主義を力強く支持していることを十分に示している」と強調しました。

そして「私は台湾のリーダーとしてこれから蔡英文総統が築いた基礎の上に台湾海峡の平和と安定を守り続けていくので、アメリカも台湾を支持し続けてほしい」と述べ、中国との関係について、慎重な言動でアメリカの信頼を得ている蔡総統の路線を継承する考えを示しました。

これに先立ち、ハドリー氏らは総統府で蔡総統とも会談しました。蔡総統は「台湾とアメリカの関係が引き続き前進するとともに、地域や世界の発展の重要な原動力になることを望む」と述べました。

一方、ハドリー氏は「新政権のもとでも、アメリカと台湾の関係が継続し台湾海峡の平和と安定を維持するためにともに努力することを期待している」と述べ、中国が台湾への軍事的な圧力を強める中、台湾海峡の現状維持のために双方が連携していくことを確認しました。

アメリカ側は今回の訪問について、前例に従い、私人として行っていることを強調していて、アメリカと台湾の間の公的な往来に反対する中国を過度に刺激しないよう配慮を示したとみられます。

中国「断固として反対」

台湾総統選挙を受けてアメリカ政府の元高官らが台湾を訪れ、当選した与党・民進党の頼清徳氏などと会談したことについて、中国外務省の毛寧報道官は15日の記者会見で、総統選挙を「台湾地区の選挙」と呼んだうえで「アメリカがいかなる形や口実で台湾と公式な往来を持ち、台湾に干渉することにも断固として反対する」と述べ、反発しました。

そのうえで「アメリカ側が台湾問題が極めて複雑で敏感であることを認識し、アメリカの指導者が幾度も重ねて表明している台湾独立を支持しないなどの約束を実行に移し、『台湾の独立分裂勢力』に誤ったシグナルも出さないよう重ねて求める」と述べました。