サッカーアジア杯 日本は初戦白星スタート ベトナムに逆転勝ち

サッカーのアジアカップで、3大会ぶりの優勝を目指す日本が1次リーグの初戦に臨み、ベトナムに一時リードされる苦しい展開になりながらも4対2で勝ち、白星スタートを切りました。

サッカーアジアカップは、24チームが出場して中東のカタールで今月12日に開幕しました。

世界ランキング17位の日本は14日、1次リーグの初戦に臨み、かつて日本代表を率いたフィリップ・トルシエ監督が率いる、世界94位のベトナムと対戦しました。

日本は、先発メンバーに遠藤航選手や伊東純也選手などの主力に加えて、細谷真大選手や鈴木彩艶選手といったパリオリンピック世代の若い選手も起用しました。

日本は前半11分、この試合最初のコーナーキックからシュートのこぼれ球を南野拓実選手が右足で押し込んで先制しました。

しかし、その5分後、ベトナムにコーナーキックからヘディングシュートを決められて同点とされ、さらに33分にはフリーキックから勝ち越し点を奪われました。

日本はリードされる苦しい展開となりましたが、前半終了間際、ペナルティーエリアに走り込んで縦パスを受けた南野選手がこの試合2点目のシュートを決めて同点に追いつき、直後には中村敬斗選手が右足でゴール右隅に鮮やかなシュートを決めて逆転に成功しました。

さらに日本は、後半40分に途中出場の上田綺世選手のゴールで追加点を奪い、ベトナムに4対2で勝って白星スタートを切りました。去年6月から続く国際Aマッチの連勝記録は10に伸びました。

日本の1次リーグの第2戦は今月19日に予定されていて、世界63位のイラクと対戦します。

2得点の南野拓実「強さを示すことができてよかった」

前半終了間際に決めた自身2点目の同点ゴールについては「先制点を取ったあとに逆転されてしまい、なんとかゴールでチームの助けになりたいと思っていた。前半終了間際といういい時間に決められて、それがすぐに勝ち越しにもつながったので、試合運びとしてはよくなかったが、強さを示すことができてよかった」と話していました。そして、次のイラク戦に向けて「まだ初戦で、1次リーグ突破も決まったわけではないので、しっかり気を引き締めていい準備をしたい」と話していました。

南野の2点目アシスト キャプテンの遠藤航“次へいい準備を”

「厳しい戦いになるのは試合前からイメージしていた。失点したあとも落ち着いてゲームを進めることと、それ以上失点しないこと、90分をかけて勝つことを意識していた。前半で試合をひっくり返せたのはすごく大きかったと思う」と振り返りました。

プレーの内容については「満足はしていないが、きつい中でも守備でも攻撃でも相手より一歩早く動いて、隙を見つければパスを出せるように意識していた。拓実も落ち着いて決めてくれたし、自分のよさを出せたと思う」と話しました。そのうえで「次も間違いなく難しい試合になると思うので、いい準備をして勝てるように頑張りたい」と意気込みました。

中村敬斗「相手のカウンター狙い 試合に入ると想像以上だった」

「ベトナムが引いて守ってカウンター狙いというのは分かっていたが、いざ試合に入ると想像以上だった」と振り返りました。勝ち越しゴールについては「パスを受けたときから振りにいこうと思っていた。シュートがいいコースに飛んでよかった」と喜びました。そのうえで、次の試合に向けて「結果がすごく大事だと思うので勝ちに行く」と気持ちを引き締めていました。

森保監督「簡単な戦いはないと教えてくれた初戦だった」

「アジアカップに簡単な戦いはないと教えてくれた初戦だった。追う展開になってしまったのは反省しないといけないが、理想どおりの戦いにならなかったときに選手たちが落ち着いて修正して試合の流れを持ってこられたことは、今後に向けてまた自信になる」と試合を振り返りました。

コーナーキックとフリーキックから2点を失ったことについては、「アジアカップを戦う上でどのチームもセットプレーにはかなりパワーをかけてくると思うので、しっかり対応できるように修正しないといけない」と反省を口にしました。

そのうえで「日本のサポーターと能登半島の地震で被災している皆さんにまた勝利と励ましのエールを送れるようにベストをつくしたい」と次の試合への意気込みを話しました。