能登半島地震から2週間 災害関連死防止・生活再建などが課題に

元日に石川県能登地方で発生し、最大で震度7の揺れを観測した地震から、15日で2週間になります。能登地方ではいまだに孤立状態となったままの集落もあり、被害の全容は把握できていません。石川県内では1万9000人余りが避難所で過ごす中、体調を崩すなどして亡くなる「災害関連死」をいかに防ぐかが課題となっています。

このほか、地震や津波などによる被害が出ている富山県や新潟県でも、被災した人たちの住まいや生活の糧となる仕事の再建などをいかにすすめていくのかなどが課題となっています。

《石川》14日午後2時時点で死者221人 不明者24人

能登半島地震では14日午後2時の時点で、221人の死者が確認されているほか、24人の安否が分かっておらず、救助や捜索活動が続けられています。

また、輪島市、珠洲市、能登町の少なくとも15地区の490人が道路の寸断でいまも孤立状態になっています。14日午後2時の時点で1万9014人が身を寄せている389か所のほとんどの避難所では断水や停電が続き、環境の改善があまり進んでいません。

避難生活などで病気が悪化したり体調を崩したりして亡くなったとみられる人はこれまでに13人にのぼっていて、今後「災害関連死」をいかに防ぐかが課題となっています。

災害関連死を防ぐために、石川県は孤立集落にいる人や高齢者など配慮が必要な被災者とその家族を優先に県内外の旅館やホテルに受け入れる「2次避難」を進めていて、速やかに移送したいとしています。

《富山》14日時点の避難者は2市で計64人 断水続く地域も

今回の能登半島地震では、富山県内で観測史上初めて震度5強の揺れを観測し、富山市で80センチの津波を観測しました。そしていずれも富山市に住む中学1年の男子生徒と、30代女性のあわせて2人が、石川県に帰省中に被災して亡くなりました。富山県によりますと、県内のけが人は14日時点で富山市で18人、氷見市で9人など、あわせて44人で、このうち3人が重傷です。

揺れや液状化の影響で住宅への被害が相次ぎ、氷見市で38棟が全半壊するなど県内のあわせて2930棟で被害が確認されていて、民間の賃貸住宅を活用した「みなし仮設」などへの入居手続きが進められています。

また避難が長期化していて、氷見市で39人、高岡市で25人と、あわせて64人が避難生活を余儀なくされています。

氷見市では断水したり、水は出るものの飲めない状態だったりして、あわせて1990戸で水道が復旧していません。

宿泊施設では宿泊や宴会のキャンセルが相次ぎ、ホテルなどの組合によりますと被害額は1億5000万円に上るということです。

また、漁業でも沖合に仕掛けた網やかごが流されたり漁港の岸壁がひび割れたりするなど経済活動にも打撃を与えています。今後は被災した人たちの住まいや生活の糧となる仕事の再建などをいかにすすめていくのかが課題となっています。

《新潟》液状化被害の全容はまだ不明

新潟県では長岡市で震度6弱の揺れを観測し、上越市などの沿岸には津波が押し寄せ、浸水被害が出ました。

県によりますと、県内でけがをした人は14日の時点で49人となり、新潟市内の小学生1人が帰省先の石川県内で被災し亡くなりました。

県内で被害が確認された住宅は3413棟にのぼっていますが、液状化による被害が深刻な新潟市西区などでは被害の全容がいまだ明らかになっていません。

新潟市は、住宅に被害があった人が公的な支援を受けるために必要なり災証明書の交付に向けた調査を進めていますが、14日の時点で7470件の申請に対して調査が終わったのは1459件となっていて、15日からは調査にあたる職員をこれまでの倍の120人に増やすことにしています。

液状化で家が傾くなどの被害を受けた地域の住民からは、今後の住まいへの不安や、めまいがするなど健康への影響を訴える声も多く、被災した住民の生活再建をどのように支援していくかが課題となっています。