ウクライナ提唱の和平案 スイス外相“実現にはロシア参加を”

ウクライナが提唱する和平案についての協議が、14日、スイスのダボスで開かれ、共同議長を務めたスイスのカシス外相は、和平案の実現に向けた今後の議論にはロシアを参加させる必要があるという認識を示しました。

スイスのダボスでは14日、ウクライナが「平和の公式」と名付けて提唱する、ロシア軍の撤退や領土の回復など10項目の和平案について話し合う、4回目の協議が開かれ、G7=主要7か国やグローバル・サウスと呼ばれる新興国の高官などが参加しました。

ウクライナ大統領府によりますと、協議にはあわせて81の国と国際機関が参加したということで、ウクライナのイエルマク大統領府長官は、協議の冒頭に「グローバル・サウスの国々が関与を深めていることは心強いことだ」と述べました。

その上で「単なる停戦は平和への道ではない。選択は簡単であり、負けて消滅するか勝って生き続けるかだ」と述べ、徹底抗戦を続けてロシア軍を完全に撤退させたうえでの停戦でなければ本当の平和とは言えないとの認識を示しました。

ウクライナとしては、去年12月にサウジアラビアで開かれた非公式協議で、複数のグローバル・サウスの国々の高官から、ロシアと停戦するよう説得する発言が相次いだことから、改めてそうした説得に抵抗した形です。

協議のあとの記者会見で、ウクライナとともに共同議長を務めたスイスのカシス外相は、「何らかの形でロシアをこのプロセスに参加させる必要がある。ロシアの関与なしでの平和はありえない」と述べ、今後の議論にはロシアを参加させる必要があるという認識を示しました。