【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(1月15日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、安全保障を巡り、先に協定を締結したイギリスに続き、ルーマニアなど各国とも交渉が始まっていると明らかにし、欧米側は「支援疲れ」が指摘される中にあっても支援に前向きだと強調するねらいがあるとみられます。

ウクライナ情勢をめぐる15日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ゼレンスキー大統領 欧米側の支援を強調

ウクライナのゼレンスキー大統領は14日、動画での演説で、「ウクライナの安全保障に関する取り組みは継続され、ルーマニアとの交渉が始まっている」と述べ、ルーマニアなど各国と安全保障をめぐる交渉が始まっていると明らかにしました。

ゼレンスキー大統領は1月12日、首都キーウを訪問したイギリスのスナク首相と会談し、ウクライナの長期的な安全のための新たな安全保障協定を各国に先駆けて署名しています。

ウクライナ情勢を巡り、最大の支援国アメリカで軍事支援の継続に必要な緊急予算が議会で承認されないなど、欧米側の「支援疲れ」が指摘されています。

ゼレンスキー大統領としてはそうした中にあっても、欧米側は支援に前向きだと強調するねらいがあるとみられます。

「ロシア 数週間以内に新たな攻撃準備」戦争研究所

一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は14日、ロシア側の話として、「ウクライナ東部と南部で地面が凍結する今後、数週間以内にロシア軍は新たな攻撃開始の準備をしている」と指摘しました。

ロシア軍は、ウクライナの反転攻勢は失敗したと主張した上で、東部ハルキウ州などで攻勢を強めていて、ウクライナ側は警戒を続けています。

ウクライナ提唱の和平案を協議 グローバル・サウスも参加

スイスのダボスでは14日、ウクライナが「平和の公式」と名付けて提唱する、ロシア軍の撤退や領土の回復など10項目の和平案について話し合う、4回目の協議が開かれ、G7=主要7か国やグローバル・サウスと呼ばれる新興国の高官などが参加しました。

ウクライナ大統領府によりますと、協議にはあわせて81の国と国際機関が参加したということで、ウクライナのイエルマク大統領府長官は、協議の冒頭「グローバル・サウスの国々が関与を深めていることは心強いことだ」と述べました。

その上で、「単なる停戦は平和への道ではない。選択は簡単であり、負けて消滅するか勝って生き続けるかだ」と述べ、徹底抗戦を続けてロシア軍を完全に撤退させたうえでの停戦でなければ本当の平和とは言えないとの認識を示しました。

ウクライナとしては、去年12月にサウジアラビアで開かれた非公式協議で、複数のグローバル・サウスの国々の高官から、ロシアと停戦するよう説得する発言が相次いだことから、改めてそうした説得に抵抗した形です。

協議のあとの記者会見で、ウクライナとともに共同議長を務めたスイスのカシス外相は、「何らかの形でロシアをこのプロセスに参加させる必要がある。ロシアの関与なしでの平和はありえない」と述べ、今後の議論にはロシアを参加させる必要があるという認識を示しました。

北朝鮮外相 モスクワに到着 さらなる連携強化 確認へ

北朝鮮国営の朝鮮中央通信によりますと、チェ・ソニ外相が率いる政府の代表団は14日、ロシアの首都モスクワに到着し、公式訪問を始めました。

チェ外相は、17日までロシアに滞在するとしていて、ロシア外務省によりますと、16日にラブロフ外相と会談する予定だということです。

外相会談では、ラブロフ外相が訪朝した去年10月に締結された、ことしと来年の両国外務省の交流計画を踏まえて、経済や科学技術分野などでの具体的な協力について調整が行われる可能性があります。

また、ウクライナ侵攻を続けるロシアが北朝鮮から供与された弾道ミサイルを使っているとして、両国の軍事的な結びつきに欧米などが警戒するなか、両外相が軍事協力について言及するのかも焦点です。

会談では、去年9月の首脳会談でキム・ジョンウン総書記が招待したとする、プーチン大統領の北朝鮮訪問について話し合われる可能性もあり、両外相は会談を通じてさらなる連携強化を確認する見通しです。

ロシア大統領府報道官「プーチン大統領 北訪問の招待受けた」

ロシア大統領府のペスコフ報道官は15日、記者団に対し「北朝鮮はわれわれの隣国で、パートナーであり、あらゆる分野での関係をさらに発展させていく」と述べ北朝鮮との関係強化に意欲を示しました。

そのうえで「プーチン大統領はピョンヤンへの公式訪問の招待を受けている。予見可能な将来、訪問が実施されることを期待している。訪問の時期は外交ルートを通じて合意されるだろう」と述べ、プーチン大統領の北朝鮮への訪問についても話し合われる可能性を明らかにしました。