石川県 旅館やホテルへの「2次避難」 電話相談窓口を開設

能登半島地震で被災した人たちが旅館やホテルといった2次避難所に避難できるよう、石川県は14日から要望や悩みを聞きとる電話相談の窓口を設けました。

石川県教育委員会は被災した能登地方の6つの市と町の県立高校に通う生徒を対象に、金沢市内のホテルを2次避難所として確保し、15日から順次、受け入れることにしました。

石川県 「2次避難」の相談窓口を開設

電話相談窓口は、輪島市や珠洲市など被災した6つの自治体の避難所から2次避難所となるホテルや旅館への避難を進めるために石川県が14日に設けました。

金沢市内に設けられたコールセンターには朝から絶え間なく問い合わせが寄せられ、20人ほどの担当者が希望の人数や滞在期間、食事の提供が必要かどうかなどを詳しく聞きとりながら避難先の調整をしていました。

石川県が確保した2次避難所は、14日午後4時現在で県内外であわせておよそ950か所あり、宿泊料はすべて無料で、1日に2万8000人余りを受け入れることができますが、現在利用している人は700人余りだということです。

避難所の運営にあたる石川県観光企画課の西川史星さんは「できるかぎり個々のニーズにあわせた2次避難所を紹介したい。電話相談を活用して、いち早く生活環境の整った場所へ避難してほしい」と話していました。

【石川県 2次避難の相談窓口】
電話番号:0120-266-755
(毎日午前9時から午後6時まで)

石川県 避難所に相談窓口の案内配布へ

石川県はホテルや旅館への避難、仮設住宅への入居についてや健康の問題など被災者の幅広い悩みに応じようと電話相談の窓口を設けて対応しています。

しかし、この相談窓口について情報の周知が十分ではなかったとして、相談内容に応じた直通の電話番号や受付時間を記した案内を県内すべての避難所に配布するということです。

石川県の馳知事は「困っている人に対しジャンルに応じた県庁の連絡先を掲載した一覧表を作成した。被災した地域は高齢者の多いところなので、有効に活用してほしい」と述べました。

被災6市町に住む県立高校生徒 金沢市内のホテルで受け入れへ

石川県教育委員会によりますと今回の地震で被災した能登地方の6つの市と町に住む高校生を対象に、金沢市内のホテルを2次避難所として確保し、15日から順次、受け入れを始めるということです。

被災した高校生の生活環境や健康を確保するための取り組みで、現在、学校を通じて保護者や生徒に避難を希望するかどうか意向の確認を進めています。

このホテルでは、最大でおよそ70人の受け入れが可能で、期間は生活環境が改善されるまで当面の間を想定しているとしていますが、家庭の事情などを踏まえ、随時、帰宅もできるということです。

穴水町に住む高校1年の女子生徒は「できれば地元の高校で勉強したいですが、避難所に行っていなくて人と会う機会が少ないので学校にはすごく行きたいです。高校の再開が難しいなら金沢に行く方が勉強できるのでいいと思います」と話していました。

県教育委員会は希望者数が多い場合、新たな2次避難先の確保を含め検討することにしています。

旅館に移った避難者「2週間ぶりにお風呂 足伸ばして寝られる」

加賀市にある旅館では今月9日から2次避難所として被災した人たちを受け入れていておよそ300人が避難しています。

14日夕方にも輪島市の孤立していた地区から15人がバスで到着しました。

50代の男性は「地震が起きた日はみんなで高台の公民館に避難し壊れた窓をふさいで過ごしていました。2週間ぶりにお風呂に入り、足を伸ばして寝ることができ、ありがたいです」と話していました。

また60代の女性は「避難所は高齢者が多く倒れて病院に運ばれた人もいてとても不安でした。娘が先にこの旅館に避難しているので会いたいです」と話していました。

旅館には加賀市の保健師が待機していて、避難してきた人たちの健康状態の確認と体調管理にあたっているということです。

旅館の吉田久彦社長は「加賀市と協力して避難してきた人が安心して過ごせるよう取り組んでいます。極限状態から来ていると思うので、温泉につかっていただき、まずはリラックスしてほしいです」と話していました。