石川 輪島の曽々木海岸「窓岩」も崩落 観光地で被害広がる

石川県内の観光地は今回の地震で大きな被害を受けています。能登地方の観光名所として知られる石川県輪島市の曽々木(そそぎ)海岸の「窓岩」(まどいわ)も崩落しました。

「窓岩」は、真ん中にあいている直径2メートルほどの穴に夕日がぴたりと収まる瞬間の絶景が人気で、能登地方の観光名所になっていました。

しかし、今月11日にNHKが撮影した映像では、岩の上部が崩落しているのが確認できます。

曽々木地区の自治会長を務める刀祢聡さんは「観光のシンボルで毎日見ていたものがなくなってしまったのは本当にショックです」と話していました。

輪島市では、江戸時代の豪農の暮らしぶりを伝える建物として国の重要文化財に指定されている「上時国家住宅」も倒壊していて、能登地方を代表する観光名所に甚大な被害が出ています。

石川県の観光地に被害広がる 水族館のジンベイザメも死亡

輪島市では毎年60万人から70万人が訪れる県内屈指の観光地だった朝市通りが、大規模な火災で多くの建物が焼失しました。

また、日本海を望む斜面におよそ1000枚の田んぼが階段状に並び、国の名勝に指定されている「白米千枚田」は、NHKのヘリコプターから撮影した映像では、長さ数メートルに及ぶ亀裂が複数、確認されています。

珠洲市では国の重要無形民俗文化財に指定されている「揚げ浜式」という手法で伝統的な塩づくりが行われていますが、生産者の中には地震のあと再開のめどが立っていないところもあるということです。

伝統工芸の珠洲焼の技法や歴史などを紹介する「珠洲焼資料館」は停電が続き、被害の確認もできておらず、再開の見通しは立っていないということです。

七尾市では、年間3万人から4万人が訪れる能登島ガラス美術館がおよそ3割の作品が破損する被害に遭い、臨時休館が続いています。

「のとじま水族館」も再開の見通しが立っていません。館内の設備に被害を受け、飼育していた2匹のジンベエザメも死んだということです。

このほか金沢市内でも「金沢21世紀美術館」が館内の設備に被害を受けたため臨時休館していて、再開のめどは立っていません。